氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

家畜なるとも社畜なるなかれ

お祝いに「ビールでもどうだ、一杯」とすすめたら見事に拒否られた。あれ?飲酒って18歳解禁じゃなかったっけ?オレ達の頃はたしかそうだったはずだぞ。まあいい。とにかくおめでたい。

 

苦節、約1ヶ月。お陰様で就職の内定を頂くことが出来た。宅の坊主の話である。しかし1ヶ月前までは大学だ専門学校だ、あーだこーだ、ヨーダだフォースだと言っていたのに、就職に舵切りしたと思ったらあっと言う間に決まってしまった。

 

坊主を擁護するわけではないが、誤解の無い様に補足すると、けして誰もが入れる会社ではないという事だ。要するに即戦力となる技術力が会社のお眼鏡に適ったらしい。日がな一日PCの前に張り付いてはカチャカチャとやっていたことがここに来て功を奏した様だ。

 

ただ会社の思惑とは別に、その会社を選んだ理由は極めて不純だ。年間休日数124日。5年に1度の海外旅行。父親をつかまえては「ブラック、ブラック」と言い放つが、そんな企業が間違いなく存在するならば確かに自分はブラック以外、何ものでもない。ただいくら休みが多かろうがそこは高卒の給料だ。今ひとつ抜けきれない。本人は給料よりも休みを優先すると言ってはいるのだが…。

 

ただ喜ばせてばかりはいられない。そこはしっかりとクンロクを入れておいた。ここに至るまでの必要材料、この場合はPCにまつわる様々な機材が主だが、当然、高校生の財力では集め切れないものばかりだ。

 

「通勤は車だろ?免許が必要だな」

「自動車学校に学校から予約しておいた」

「へぇ~、幾ら掛かるの?」

「325,000円くらい」

「あ、そう。で、ところで免許取っても車がいるな」

「うん」

「スーツも必要だし、昼ご飯はどうする?食べずに我慢するか?」

「えー」

「それに俺が立て替えたPCの代金も返さなきゃならないしな。こりゃ、大変だ」

「どうしよう」

「さぁ、自分で考えたら?」

「じゃ、いいゎ。どうせ休みでもずーっと家にいるから金使うときないだろうから」

「電気がなきゃPCも使えないし、水がなきゃトイレも流せないぞ。晩飯はどうする?外食か?まぁ、そんな余裕もないだろうな。当分の間、お前は社畜ならぬ家畜だ。どぁ~はっはっは!!!

 

現実を突きつけられて多少は社会の厳しさがわかったことだろう。それにしても弄りがいがある。親の偉大さを少しくらいはわかったか。でも、結局は全て面倒をみなくちゃならないんだろうな。はぁ…。

 

で、取り敢えず、ひとり祝杯。

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尿漏れにはノコギリヤシが効くらしい

で、飲み干したのでもう一本。

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何がいいんじゃ。

 

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