氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

ソルティ・ランナー@美濃太田駅

生まれて初めて美濃太田の駅に降り立った。いや、この場合、電車に乗ってきたわけではないので降り立つではおかしい。降りる、の反対が登るだと登り立つ?そんなアホな。乗り物だから乗るが正解だろう。仕切り直す。

生まれて初めて美濃太田の駅から電車に乗るという理由でホームに立った。長い!

概ね30kmを目安にすると、西は『関ヶ原駅』、東は『美濃太田駅』となる。いずれもJRの沿線だ。Suicaが利用できるので、現金を多く持たずに済むといった利便性が嬉しいところだ。余談だがkioskでもSuicaが利用出来るということ初めて知った。走るたびにお利口になっていくボク。

各務原市鵜沼駅』までの約20kmはなんら特筆することのない、面白みに欠ける道程だった。トラックやダンプカーばかりのバイパスを走ることを余儀なくされ、足といい腕といい、得たいが知れない粉がまとわりつき実に気持ちが悪かったが、Radikoで聴くCBCラジオから流れるつボイノリオトークに癒され?たまに「うほうほ」と発情しながらなんとか乗り切った。

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鵜沼駅

鵜沼からは『日本ライン』と呼ばれる木曽川の風光明媚な景色を拝みながら走ることが出来る。これはヨーロッパのライン川に景観が似ていることから名付けられた名称だ。が、しかしその頃になると足に相当な疲労がたまり悠長に景色など見ていられる気分には全くなれなかった。坂祝町には川に沿って一段高く作られた「日本ラインロマンチック街道」と呼ばれる道がある。ところが会うのはジジババばかりでとてもとてもロマンチックな気分には浸れない。ただ頭の中ではCCBの「Romanticが止まらない」が止まらず鳴り響く。

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日本ライン

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日本ラインロマンチック街道


美濃太田駅』は思いの外、綺麗な駅だった。到着すると真っ先にトイレに飛び込み、手足のザラつきを洗い流すべく洗面台へと向かう。ふと、鏡を見ると「うん♡いいおとこ」、じゃなくて、そこにはマダラ模様の顔が映っていた。ひょっとしたらとホホを右手の人差し指でなぞり、そしてひと舐めてみた。「うぅ~ん、しょっぱい!」(細川たかし風)ひょっとして腕も?「うぅ~ん、しょっぱい!」脚は?「うぅ~ん、しょっぱい!」くどい!全身がソルティーになっていたことに初めて気付く。またひとつお利口になったボク。

帰りは電車だったが、仕方なくソルティーなまま乗り込んだ。ランニングウェアにワラーチを履いた乗客にドン引きする人がどれほどいるだろうかと半ば期待をしていたのだが、それを気に留めるほどの乗客は、というか乗客があまりに少ない。よって残念ながらさほどのエピソードは生まれなかった。

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美濃太田駅

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美濃太田ホーム


「え~、特急券を拝見させて頂きます」車掌が寄ってきてそう話しかけてきた。
「えっ?特急券いるの?」「はい、どうやって乗られました?」「Suicaで」「では320円頂戴します」「それってSuicaでも払えるの?」「いえ、現金のみです」「マジか?!」

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特急券

何かあった時の為にと500円玉を所持していた。実は『美濃太田駅』から『岐阜駅』までは500円ちょうどだったのでそれを使ってしまおうかと一瞬考えたのだが、kioskでもSuicaで買い物が出来ることを知り使ってみたい、とチャージしたばかりだったのだ。滅多にJRなど乗らないので、いつまでも残高を残して置く必要もなかろうとJRでの乗車でもSuicaを使ったわけだが、実に運の良い出来事だった。ボク、またひとつお利口になっちゃった。