氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

染色体検査

ダウン症ということになれば、それにともなうよく見られる合併症を心配しなければならない。それは例えば先天性心疾患であったり、生まれつき肛門がない鎖肛(さこう)や腸閉塞、それに白血病などがある。まだダウン症と断定されたわけではないが、それらの検査を先に行う。特別な問題がなければ概ね当日中にわかるといわれた。「特別な問題」とは恐らく上にあげたもの以外の何かだろうか。

 

身長、体重、頭囲を測り、その後、多くは記憶が薄れ定かではないが、超音波検査には立ち会った覚えがある。その後、再び診察室に入り医師の所見をうかがった。身体的に心配するようなところは今のところ見つけられないと話され、わずかながら安堵する。

 

「次は一ヶ月検診の時に来てくださいね。その時までに結果がわかると思いますから」

「結果って、障害についてですよね?そんなに時間がかかるんですか?」

家内がせっかちに尋ねる。障害の有無をはっきりさせたくないと言っていたのは単に病院に行きたくなかっただけの話なのだろうか。そうは思いたくないが先行きの不安を禁じえなかった。

 

聞けば検査は外部に委託するらしく、それくらいは普通にかかるそうだ。逆に予備知識を吸収するにはよいアイドルタイムとなる。今の時代はインターネットが普及し様々な情報交換が行える。ダウン症についても療育の方法やら様々な体験談、コミュニティの紹介などの情報が多々転がっている。然しながらどうしてもポジティブな内容のものばかりを追ってしまっていた。普通の生活を送らせてあげることが出来るのか?そこが一番、肝心なところだからだ。

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小学校1年生 工作で作った紙粘土の人形と一緒に