「テレフォン人生相談」水に流しましょう。
こんにちは、ドリアン助川です。
今がたとえ辛くても 角度を変えて見れば 進むべき道が見えてくるはずです。
選ばれていないときが 選ばれているとき。
さあ一緒に歩きだしましょう。
トゥルルル、トゥルルル、ガチャ
「はい、テレフォン人生相談です。もしもし」
「はい、もしもし」
「今日はどういったご相談でしょう?」
「実はですね、毎年健康診断を受けるんですよ」
「それは個人的にですか?会社としてですか?」
「会社としてです」
「それで何かありましたか?」
「はい、一昨年はバリウムを飲んだのですが、昨年はそれを胃カメラにしたんです」
「はぁ、何か胃の腑に気になることでもあったのですか?」
「いえ、そういうわけではなく…」
「では何があったんですか?」
「はい、一昨年の検査の翌日なんですが、心配していた産みの苦しみもなく快調といえば快調だったんです」
「では、どうされました?」
「流れないんです」
「えっ?」
「産み落としたバリウムが便器の底に横たわり、何度流そうとしても流れないんです」
「バリウムの化合物は比重が重いのが特徴ですからね。バリウムの原料となる鉱物 「重晶石(じゅうしょうせき)」 は硫酸バリウムが結晶したもので、比重は 4.5です。要するに水の 4.5倍の重さということになるんです。鉛が 11.34ですから、その半分弱ですね。そして范文雀といえばサインはVのジュン・サンダースです。顔を黒く塗ってましたがおおらかな時代でしたね」
「めっちゃ詳しいですね。後半はどうでもいい話ですが。それで何とかなりますか?」
「それは実際、困ったご相談ですね。ただ、今日のあなたは運がいい。今日はお尻についてのエッセイストとしてお馴染みのイチイチ先生がいらっしゃいます。先生、よろしくお願いします」
「あ~、めんどくせ。お姉ちゃんならともかく野郎の相談なんか受けたくねぇんだよ、ホントは。ま、しゃ~ないで教えたるわ。オタクはトイレットペーパー派?チリ紙派?」
「トイレットペーパー派です」
「あ、そう。いや、こんな質問はどうでもいいんだけど、ただ訊いてみただけ。あ、ウォッカリッキーと麻婆ナスちょうだい」
「えっ?」
「あ、いや、こっちの話だ。イチイチかまうな」
「どこにいるんですか?」
「そんなことお前の知ったこっちゃないんだよ。オレがどこにいようがオレの勝手だろ。電話切るぞ、この野郎!あ、あと赤貝の刺身も追加で」
「はぁ、すみません」
「で、どこまで話した?そうそう、トイレットペーパーでもチリ紙でもいいから、先に便器の底に敷いておくんだよ」
「水が張ってるから底に敷けないと思うんですが…」
「例えだよ、例え!そんなことは指摘されるまでもなく馬鹿でもわかるだろうが。お前は馬鹿か?」
「あ、でも今、馬鹿でもわかるって言われたから馬鹿でもいいかな?って…」
「じゃ、お前は今日から馬鹿だ。おい、馬鹿」
「はい?」
「認めちゃったよ、こいつ~笑。あ、えーと、三千盛の大吟醸くれる?」
「よく飲みますね。で、紙を敷くとどうなるんですか?」
「るせぇな、イチイチイチイチ。そんなの簡単だろ。バリウムが直接便器に触れないからへばりつく事なく紙と一緒にすんなりと流れていくんだよ。わかったか?やってみろ。じゃ、電話替わるぞ」
「ドリアンです。おわかりになりましたか?今、先生が大変いいことを仰いました。是非、実践してみて下さい」
「はい、ありがとうございました」
「はい、それでは失礼致します」
半信半疑だが実践してみた。その結果!
すんなりと跡形もなく流すことに見事成功!先生、ありがとう!
皆さんも人生上の悩みについて相談御希望の方はお電話ください。尚、間違い電話などなさいませんようご注意ください。