天国のお母さん、お父さんへ。
小五で母親を亡くした時、葬式後に寺の住職から、飼い犬のポインターが赤ちゃんを産んだから見に来なさいと声が掛かった。その理由はわからなかったが、少しでも慰めになるだろうという気遣いからだったかも知れない。お言葉に甘え姉に伴われ見に行くと、寺の境内に犬小屋が設置してあり、中を覗くと犬の赤ちゃんが沢山うごめいていた。聞けば産まれたのは11頭だったとか。
「可愛いでしょう?」
「可愛いですね」
「うん、可愛い」
まだ無邪気な子どもの時分である。恐らくこういった他愛のない会話がなされていたに違いない。
「見たね、もう、十分に見たね?」
いや、実際にそう言われたわけではなかったかも知れない。ただ記憶の断片にはその様に言われた覚えが残る。
「それじゃ、またね」
そう、一方的に別れを告げられもう帰る様に促された。
姉が運転する帰りの車の中で、
「何しに呼ばれた?子犬が産まれたことを自慢したいだけ?てっきり1匹くらいくれるという話かと思って行ったのに、抱っこもさせてくれないなんて」
と、ボヤく姉に当時はただ頷くだけだった。余計に寂しさが募る思いだった。
父親が亡くなった時もまだ檀家であったが為、そのお寺に供養をお願いしたのだが、その時は先代も既に亡くなり息子が代を継いでいた。それからである。父親の葬式をきっかけに、やれ屋根を張り替えるだの、新しく建物を普請するだのと色々と理由をつけてはやたらと寄進をせがむ様になってきた。その事に段々と腹が立ち、親戚が反対するのを押切りスパッと関係を絶ってやった。当時はまだ独身で独り住まいであったこともあり気にかけることは何もない。自分が死んだところで再び付き合いが生まれようとも自身には関係のない話だ。
寺は中学の同級生の実家でもあったのだが、そいつがまた嫌な奴だったので、いずれ現在の住職から代を次ぐことになる前に関係が絶たれたことはむしろ良かったことと思っているし、今でもその考えは変わらない。
然しながら、あの時のポインターは欲しかったな。
はい、ノスタルジーと哀愁漂う長~い巻頭文はここまでです。
2020年2月1日からまたしても「PayPay」のばら撒きキャンペーンが始まった。
今回は「全国6,500店舗以上の有名飲食チェーンで『40%戻ってくる』キャンペーン」と銘打たれている。尚、Yahoo!プレミアム会員は更に10%上乗せの50%が還元されるという。
そこで早速「有名飲食チェーン」の一角を担う「松のや」へ行き「PayPay」の恩恵を受けてきたというわけだ。
目的はむしろその事と腹を膨らますことだけにあったので、食事の内容に関しては写真を見て想像し、勝手に食レポして頂きたい。一応、ネーミングは『海鮮盛り合わせ定食(税込900円)』だ。あじフライに大ぶりのえびフライ、かきフライが二個付いていた。
家族全員の分を合わせると2,900円になったが、半額還元だと1,450円となるわけだ。ところがそうそう甘くはない。還元額の一日の上限が500円までということだったので、つまりは500円をマイナスすると2,400円となる。だとしても一人頭600円となり、けっこうなお値打ち価格で食べられたということになる。
で、ここまで来ていったい何が言いたかったのかというと、察しの良い人は薄々勘付いていることだろうが、どうしようもないがっかりちゃんには仕方がないからこっそりと教えてやろう。つまりは幼き日にポインターは得られなかったものの、自らがそれになり代わり一人前のポインターとして成長したということが言いたかったわけだ。
天国のお母さん、お父さん、見ててくれてるかい?
てゆーか一人前のポインターってなんだよ。
齢50も半ばを過ぎて何の成長なんだよ。
まぁ、細かいことは気にするな。