氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

キャバ嬢の華やぎになぞらえた缶チューハイひとり論争・episode4

酒の切れ目が縁の切れ目

 

華やかな雰囲気な店の割には派手さを感じない落ち着いた娘だった。色で例えるのならばシックなゴールドといったところだろうか。一目見たときから彼女に魅了され虜になり、それ以降、足繁く通うことになる。が、思いの丈も上手く伝わらなかったのならば仕方がない。自分に何かを告げることなく、いきなり姿を消した。

 

fish-on-ice.hatenablog.jp

 

もう、ここに足を運ぶ理由はなくなった。

 

しばらくの間はあちらの店、こちらの店でかつては馴染みだった娘達に癒してもらう毎日が続く。そして、今日もまた帰宅途中にあるその店を訪れたのだった。

 

水曜日と日曜日の夕方は駐車場が混み合う。この手の店では、この地域に於いて最大規模を誇る店だけに、駐車場も広く用意されているにも関わらずだ。そう、それはポイント5倍デーだからに他ならない。自分もまた、それに釣られて足を運んでいることは内緒だ。

 

「あぁ、今日もまたいつもと同じ顔ぶれか…。」

 

娘達が理路整然と並べられた棚を目を凝らし何度、見たところで、ときめくものはもうそこにない。

 

「キミでいいや。」

 

怠惰に伸ばした右腕が、そのキミに掛かりカゴに入れ振り返ったそこに見たものは、山積みされた赤にゴールドの装飾を施した煌びやかな出で立ちの彼女だった。

 

f:id:Croquis009:20200222162922j:plain

 

「きた…。麒麟が!」

 

名は「KIRIN THE STRONG アップル サイダー」という。

何故にはみ出しもの扱いをされ、ワゴンに山積みされているのか理由はわからない。

 

f:id:Croquis009:20200222163011j:plain


古株、いわゆるお局達の反感を買ったか?若しくは絶賛売り出し中としたクローズアップ戦略か?とはいえ、肩にはしっかりと「期間限定」の文字が施されていた。彼女もまた早々に姿を消す運命というのならば、彼女の人生まるごと請け負ってやろう!

 

嘘。

 

カゴに20缶放り込んだところでやめておいた。

f:id:Croquis009:20200222163044j:plain


だって、めっちゃ沢山、というかぁ、その倍以上あるんだもん。ケースに入っているのならばともかくとして、バラで売られている彼女だけにそれだけ大量の缶チューハイをレジに持ち込む勇気がオレにはどうしてもなかった。ゆ、許してくれー!

 

あ、でも結果オーライ。

 

普通さ、同じ商品ばかりなんだから、1缶だけバーコード読み込んであとは手動で掛ける20ってするじゃんね?それを1缶ずつ「ピッピピッピ」とバーコード読み込んでんだもん。さっきも言った通りポイント5倍デーだからレジも混んでんのよ。大量の缶チューハイをそんなことされたら大顰蹙ものだわさ。

 

ま、そういうわけで、この水曜日から彼女と蜜月の時を過ごさせてもらってます。

 

別に報告するほどのことではないけど。

fish-on-ice.hatenablog.jp

fish-on-ice.hatenablog.jp

にほんブログ村 オヤジ日記ブログ いきいきオヤジへ
にほんブログ村