氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

2018年3月24日 過去の出来事・10

「涙は心の汗だ」と歌ったのはいずみたくシンガーズだが、心の汗ならばともかく脇汗や足裏の汗ならばどうなっただろう?会場には酸っぱい臭いが蔓延し、きっといたたまれなくなる。そんなことを考えながら式が進むのをボーッと眺めていた。

 

春の長雨にどうなることかと危惧したものの、当日は見事に晴れ上がり、校庭に咲き始めた桜が華やかに式を彩る。雨男を父親に持つ雨女の卒業式にはいかにも不似合いだが、せっかくの晴れの衣装が湿っぽくならずに済んでよかった。

 

娘の顔立ちを思いつつ、リカちゃん人形さながらに空想の中で着せ替えし、父親自らの手で選びに選んだこの日の為「だけ」の衣装だ。が、恐らく二度と袖を通すこともなかろう。妹も2年後には卒業式を迎えるわけだが、今ではもう姉より背が高くなってしまっている。今更それを止めろというのも生物学的に難しい。そうなると行き先はヤフオクかメルカリとなる。思い出の品々とはいえ子どもが3人もいればそれが現実だぴょん。

 

所々から聞こえる鼻水をすする音が、花粉症によるものなのか、若しくは既に泣きが入っているのかは知る由もないが、少なくとも我が目を潤す涙は脇汗でも足の裏の汗でもなく心の汗そのものだった。

 

紆余曲折を経た6年だったが、娘の思い出に同量の思い出は親にもある。思い出の数だけ勉強もあった。まるで死ぬ間際が如く走馬灯のように思い出が駆け巡る…、とまではいかないが、無理して表現するならば涙の理由はそんなところだろう。

 

なにはともあれ6年間お疲れ様。仲間との笑顔で締めくくることが出来たのも小学校生活が満喫できた証だと頷きながらその光景に目を細めた。

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「あれ?あれ?携帯がない!うそ、私ちゃんと手に持っとったはずやもん!」

あのね、手に持ってたものを失くすってのはどういうこと?じゃ、逆に、

「あれ?あれ?携帯がない!あ、私ったら手に持ってるじゃん!」

なんてこともあーたには有り得るのか?感動のシーンを前に興ざめする様なドタバタ劇だけは勘弁して欲しかった。誰のこととは言わない。言わずとも察しがつくだろう。

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