このままゲームのことは忘れて欲しい
仕事帰りに「ブックオフ」へ寄った。
ゲームソフトを買ってもらうという目的の為とはいえ、ここのところの次女の読書ぶりには執念が感じられる。二冊目は松岡圭祐の「万能鑑定士Qの事件簿」、三冊目は津本陽の「黄金の天馬」だった。先は沖縄出身の美少女が鑑定士になる話、後は合気道の創始者「植芝盛平」の伝記小説だ。かなり端折ったがまぁ、そんなところだ。読んだ後の感想を聞くと
「読めない漢字が多すぎた」
だと。二冊ともがそうだったらしい。
となれば、さすがにこれ以上、自分のコレクションばかりを押し付けるのも気の毒だ。何せ、他には司馬遼太郎や童門冬二等、歴史小説しか置いてない。
店内にてスマホで「小説」「中学生」「おすすめ」と検索し、100円コーナーをうろつき探してみるも、思うように冊数は集まらない。そこで、自分がかつて小中学生の時に読んで面白かったものや、自分も後で読んでみたいものを中心にあつめたのがこの7冊だ。
歴史小説もひとつくらいはあっても良いだろうと「超高速!参勤交代」も入れておいた。勿論、自分の趣味だ。
カゴに入れレジへと持っていく。
「会員カードはお持ちですか?」
「いえ」
「直ぐに出来ますがお作りしましょうか?」
ここは「はい」と言いたかったところだが、急に自分の後ろに列が出来始めたので言うに言えず「いえ、いいです」と言わされてしまった自分はなんてチキン。
「ありがとうございます。1,813円になります」
「えっ?」
てっきり100均コーナーばかりで買い求めていたと思っていたら、実はそうでなかったことにその時になって初めて気がついた。
まぁいい。
「あ、はい。じゃ、PayPayで」
しかし、ゲームを買わされる為に本を買わされるってのはどうなんだろ?と思いつつも、予期せぬ余分な出費とはいえ、これはこれで建設的出費と内心、喜んでいる自分がいる。