氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

最後の昼餐

「明日は一緒にランチへ行ける最後の日だ。だから好きなところに連れて行ってやるぞ」


どこがいい?と聞かずとも答えは既に出ている。どうせいつもと同じだ。面白くないから


「一文字で答えなさい」

と意地悪をしてやると、案の定、答えは「す」だった。


「了解!『スガキヤ』ね。良かった、安く済んで」

「おい、ちゃうやろ。せめて二文字で言わせろ!」


といったわけで、午前8時の段階でアプリから「魚べい」に予約を入れておいた。予約時刻は午後1時。それまでに片付けられることは片付けてしまおう。自宅に置かれた店の備品は粗方、運び出しはしたものの、まだ内装工事が終わっていない中なので、店内の様子はてんやわんやの大騒ぎだ。


「魚べい」に到着。

f:id:Croquis009:20220814154307j:image

f:id:Croquis009:20220814154316j:image

 

予約番号を確認し、機械にてチェックインをすると、「お客さまの番号はご案内済みです」(確かこんなニュアンス)の文言が表示された。えっ?まだ予約時間前だよ。どうなってんの?そこで最寄りのスタッフを捕まえ尋ねる。


「すみません。チェックインするとご案内済みと出るんですが」

「えぇ~と、少々お待ち下さい」

機械と自分のスマホを目で追い行ったり来たり。


「あぁ、お客さま。これ『県庁前店』でご予約されています。ここは『正木店』ですので」

「なぁにぃ~!やっちまったなぁ~!」

f:id:Croquis009:20220814154253p:image

 

「申し訳ありませんが今から順番にお待ち下さい」

仕方がないので娘たちから罵声を浴びつつ肩幅並みに肩身狭く呼ばれるのを待つことになった。

f:id:Croquis009:20220814154442j:image


「なんでも好きなものを食え。オレも遠慮なくいくぜ!」

ま、取り敢えず最初はいつもの如くラーメンなんですけど。此度は背脂がのった「こだわり醤油ラーメン(こってり)」をチョイス。言うほどこってりとはしていなかったが、前回食べた「あっさり」よりは此方の方が美味かったと思う。

f:id:Croquis009:20220814154457j:image


遠慮なく、と気合を入れたものの、結局いつもと然程変わらぬラインナップになっちゃうんだけどね。

f:id:Croquis009:20220814154511j:image

f:id:Croquis009:20220814154517j:image

 

珍しいといえばうな丼が加わったくらいかな。うな丼とはいえプリンカップ大の器にご飯とうなぎが数切れのったリトルサイズだったけど。

f:id:Croquis009:20220814154534j:image


「これで最後のランチとなると感慨深いものがあるな」

「そうやね。14年間ありがとう」

「まぁ、厳密にいえばお前の記憶も3歳くらいからだろうから11年かな?あん子はそれにプラス2年か。昼ごはんだけじゃなく、本当によく遊びに行ったな」

たかだか昼ごはんのことだけなのに、少々うるっと来てしまった。


「じゃぁ、そろそろ〆るか」

最後のデザートは近くのミニストップになった。そしてデザートで乾杯。

f:id:Croquis009:20220814154553j:image

にほんブログ村 オヤジ日記ブログ いきいきオヤジへ
にほんブログ村