氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

おやつ爺とランチ難民デュエット PartⅡ

まったく、こいつとつるむと本当にろくなことがない。飯に連れて行ってくれというから、わざわざ朝の9時半に出発して名古屋にまで行ったのにその店がやってなかった。

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いいかい、最初に言っておくけれど、オレには奴をわざわざ飯に連れていく義務も責務も何もないんだ。にも関わらず店がやっていないってどういう事?仕方がないのでその店は諦めることにした。


代わりの店を探そうと二人でググりまくる。独断と偏見で自分が選んだ店は愛知を中心に東京にも進出した老舗のうどん屋「長命うどん」の本店だ。店の規模に比して駐車場がやけにデカいのが如何にもアンバランスだったが、それよりも駐車場に1台も車が止まっていないことに大きく違和感を覚えた。案の定、「本日、臨時休業」と書かれた貼り紙がまたしても二人の行き先を遮る。


おいっ!おやつ爺っ!お前、何か憑いてんじゃねぇのか?写真を撮る気力もねぇぞ。ただ、まだ諦めない。もう1軒、近場で検索すると果敢に攻めてみる。そして「開治屋」に到着。貼り紙がある。貼り紙を読む。


「コロナ蔓延により暫くの間、出前のみとさせていただきます」


またかよ…。なんか、もうどうでもよくなってきた。


「帰るか」

「そうだな」

「帰りがてら見つけたところでいいだろ、もう」


それでも諦めきれなかった自分は信号で赤になる度に「うどん」で検索をかけ、今現在の場所から近くに名店がないかと探してみた。すると名古屋城方面に1軒、それらしき店がヒットしたのでダメ元で行ってみる。Googleが出す情報って、自分で情報コントロールが出来る人がいない老舗の個人店だったりすると、ガセ情報を掴まされることも多いからけっこう当たって砕けろ的なとこもあるんだよね。行ってみないとわからない。


「よし、暖簾が出てる」

「でも駐車場がない」

「コインパーキングを探せ!」

ということで店から約200m離れたコインパーキングに車を止め、ここから30分間の勝負だ。だって30分をオーバーすると400円も駐車代金の請求が来るんだもん。

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「山田屋」の創業は昭和5年。1930年ということは、今年で創業92年になる。看板に書かれた「うどん」が右からなのが歴史の古さを感じさせるねぇ。店の設えも随分と渋い。

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壁には沢山のサイン色紙が飾ってあったが、歌舞伎役者の名前が特に目立った。「中村勘九郎」と「ほにゃららほにゃられ」の色紙が入り口付近のより目立つところに飾られていた。

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読める字でサインしろよ。


自分は「天ころきしめん(830円)」を注文。

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爺の注文は「天ざるきしめん(1180円)」と生意気に自分より350円も高い。それはそうと、さすが老舗のうどん屋だ。それも「きしめん」の評価がすこぶる高い店だけに、実に美味しいきしめんだった。しかしのんびりと味わっている暇はない。


1軒目の時に店の営業を確認する前にコインパーキングに入れちゃったもんだから、既に200円も無駄に支払っているんだよ。これ以上、無駄な出費を増やすわけにはいかない。その思いが通じたのか(誰に?)、30分以内に出庫することが出来た。さぁ、今度こそ帰ろう。

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