スタンハンセンのラリアットな『テキサスバーガーSP』@岐阜県関市「TEXASBURGER66」
岐阜県関市に非常に評判が悪くGoogleの口コミでも叩かれまくっている店があると聞き、怖いもの見たさで行ってみた。「テキサスバーガー66」だ。
まぁ、その口コミたるや、やれ挨拶がないだの愛想がないだの注文しても返事がないだのと接客に関しての悪口ばかりだ。おもしろいじゃねぇか。その挑戦、受けて立つぜ。一方的に事を荒立てて対決をあおる巻頭文はここまでです。
店内に入るとリーゼントの恐らく同年代と思しき大柄の男性が厨房にいた。その無愛想な表情から彼がマスターだと一目でわかった。オレンジ色のポロシャツに、同じくオレンジ色のハーフパンツを履いている。マスクはしていない。
口コミをつぶさに読むと、先ずはものも言わずテーブルに座れとあった。先客のオーダーをこなしている間は何を言っても無視されるそうだ。仰せに従いテーブルにつくと何もしゃべらず静かにしていた。テーブルも含め店内はアメリカン・グラフィティを思わせるような装いとなっている。
アメリカン・グラフィティを観たのは既に何十年も前のことなので覚えちゃいないのであくまでもイメージです。
「テイクアウトですか?」
おぉ~っ!向こうから話しかけてきたじゃないか!先ずは1勝。って1番客なのに何も言わずテーブルにひとり座っていたら逆に気持ちが悪かったかも。
改めて席を立ち、メニューを眺める。
「テキサスバーガーSPと、コーラとフライドポテトのセットをお願いします」
当然、返事はない。代金は先払いだ。1,090円を支払う。当然、お礼はない。ここまでは想定内。それに『テキサスバーガーSP』以外を頼むと不機嫌になるという情報もちゃんと仕入れている。
店内のモニターテレビではベンチャーズの映像が音とともに流れている。いい。実にアメリカナイズされた空間じゃ内科外科泌尿器科。静かに時間つぶしが出来た。
「お待たせしました」
おや、まともだぞ?なんだ、普通に言えるじゃん。これで2勝目。
テーブルとは目と鼻の先だがカウンターまで取りに行くのがルールだ。ニヒルに
「ありがとうございます」
と返し受け取りにいったのは良いものの、本当の対決はそれからだった。
「この大きさ、どやさー!」
ソフトボールは優に超え、ハンドボールに匹敵するほどの大きさがある。最初の一口がどこにも入れられねぇ!それでもおちょぼ口を最大限に開いて果敢にチャレンジすること約20分。
根性の完食と相成った。口コミには店主の態度は悪いが味は良いといった評価も多数あった通り、確かにオーダーを受けてからその場で火を入れる手作り感や圧倒的なボリュームに加え、ソースのめくるめく味わいが波状となり大脳皮質を直撃する。
しかし、このボリュームはキツい。フライドポテトも実にクリスピーでそこらのハンバーガーショップが取り扱う既製品などに比べ雲泥の差の美味しさだ。が、食べきれないので持ち帰ることにした。今日のところは引き分けということで許してやろう。
あと、今回のことで悪い口コミも宣伝になるという事がわかった。そして接客の悪さを押してでも食べたい味があることも知った。