寝心地がよい社会福祉施設の見学
夏休みも始まったばかりだというのに、長女の事業所見学があった。高校を卒業してから進むべき道を今のうちに見定めようというイベントだが、正直、本人よりも親の立場として娘をそこに預けてよいか値踏みする目論見もある。貴重な夏休みが半日つぶれるということで長女の機嫌は朝から悪い。でもね、暇すぎるパパはむしろこんな行事があってくれた方が万々歳なんだよ。というわけで少しだけ付き合いなさい。
施設の見学に先立って、その施設の成り立ちや事業内容などの説明が行われる。最初は緊張した面持ちだった長女だが、次第に顔がテーブルに近くなり、額が天板に触れるとそこから動かなくなった。聞き耳を立てるとガチに寝落ちしている。おいおい、起床してからまだ2時間しか経ってないよ。どんだけ眠たい奴やねん。
「いいですよ、そのままで」
との施設長の優しいお言葉に触れ甘え、説明が終わるまでそのまま寝かせておいた。寝起きはもっと不機嫌になっていた。赤ちゃんかよ。
ただ、食い物には卑しい。招き猫のマドレーヌが如何にも美味しそうに見えたのだろう。
「食べたい」
と口にし食い入るように見ていた。
残念ながらサンプルにつき食べられなかったが、言葉にこそ出さなかったものの、親子ふたりはシンパシィ感じてた~♪
マドレーヌの他にかりんとうも作っているらしい。他にも農園で野菜を作ったり、茶畑でお茶の葉を栽培したりといったアウトドアの仕事もあるそうだ。娘を差し置いてなんだがお茶作りなんて面白そうじゃない?
帰りがけに以前、就労体験をさせてもらった焼き立てパンを売る事業所に寄ってみた。
「あら、もう夏休み?」
覚えてもらっていたことが嬉しかったのか笑顔を浮かべ
「はい」
と返事をしていた。やはり食べ物を前にするとノリが違う。
作業内容を選ぶ自由があるならば食べ物の製造をさせてあげたいのだが、それも思うようにはいかないんだろうな。そうなった時の為の就労場所を只今、自ら建築施工中…というわけだ。