氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

自ら老舗と名乗る本物の老舗@「御菓子処 与志屋老舗」の絶品『えだまめ餅』

土用の入りを迎えた途端に岐阜県のコロナ感染者が2000人を超えた。まぁ、軽く想像出来たことだけどね。

「もし、自分の感染がわかったらどうする?」

「どうするもこうするも動けるならば普通に生活するよ。だって、ちょっと熱が出て多少、喉が痛くて倦怠感に見舞われるだけだろ?それって風邪の諸症状じゃん」

なんて会話があちらこちらで飛び交うのを耳にしている。


熱中症だと思ってましたー」

なんて言い訳もあるみたいだ。確かにこの時期は微妙だね。


「たった2日で快癒したのに10日も休めるなんて嬉しいなー」

「たった2日で快癒したのに10日も休まれたらかなわん!」

などと労使関係にヒビも入りかねない。


そのうち「馬鹿はコロナにかからない」とか、「うつしたら治るっていうよ」とか、「あなたのコロナなら嬉しい」なんて言葉が普通になるね、絶対に。そんなわけでもし罹患経験のある人は、「おれ、コロナになったから馬鹿じゃねぇもんねー」と言いふらしてみて欲しい。「おいおい、コロナって馬鹿はうつらんらしいぞ」「嘘、それってやべえじゃん。おれ馬鹿かも知れん」と思うやつが更に噂を大きくし世界中に拡散するのを見てみたいもんだ。


朝、ランニングしながらラジオを聞いていたら、伊集院光が「土用の入りですね~。本日、土用の戌の日はあんこを食べるといいらしいですよ」と言っていたのを真に受け、近くの黒野商店街にある和菓子屋へ「あんころ餅」を買いに出かけた。


「御菓子処 与志屋老舗」

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正直、よく通る沿道にあるのだが、「えっ?こんなところに和菓子屋なんてあった?」とつい最近になって気が付いたのだよ。そうなると気になって気になって食べ物以外、喉を通らない。


恐る恐る店に入ると、「はい、いらっしゃいませ」と甲高い声を発しながら女将と思われる女性が登場した。

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齢70程だろうか。七難隠す程の透明感がある白い肌だったが、年齢的にもう手遅れかも知れない。


ショーケースを見ながら物色する。「あんころ餅」と書かれた札を発見。しかし、肝心の物が無い。

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「あんころ餅ってまだありますか?」

「あら、ごめんなさいね。午前中で売り切れちゃったの。ほら、今日から土用でしょ?皆さん、土用餅で買ってかれるから」

ちっ、出遅れちまったぜ。仕方がないので「えだまめ餅」と「塩大福」で我慢しよう。

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「ところで店名に老舗と付いていますけど、何年くらいやってらっしゃるんですか?」

「江戸の終わりだから160年くらい?」

「え、そんな昔から?」

「そうよ。私で7代目だから」

黒野商店街はかつてあった黒野城の城下町にある。こんなところで城下町ならではの話を聞かされるとは。

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「だから和菓子屋が貰える賞という賞は殆ど貰ってるの。最後に貰ったのがそこの『名誉総裁賞』でね、これを貰っちゃうと今度は逆にお金を払わなくちゃならなくなるのよ。50万円よ、50万円」

「そんなことがあるんですね」

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小泉の純ちゃんがまだ厚労相の時の賞状もあった。

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そして肝心の餅はというと、塩大福は普通に美味い。

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ま、あんこが入っていれば不味いわけがない。そして、えだまめ饅頭の方は「ちょ、なにこれ、マジヤバい系」なお味だった。期待していなかっただけに土壇場でどんでん返しを食らった気分だ。

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あ、要するに美味しかったってことね。

 

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