氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

有終の美とはならず

次女の中学最後の夏が終わった。気象学的にはまだ始まったばかりだけど、なんで?たしかに大袈裟な言い方をしてはみたが、高校球児に使う文言としてはよく聞くでしょ。それが剣道に置き換わっただけだ。


結果、団体戦に於いて2勝3敗とトーナメント落ちをした。ただ、相手チームはその後、準優勝をおさめたらしい。善戦したと言えるだろう。


「あの試合に勝っていたら県大会に出られたのに」

「そうか、惜しかったな」

「1勝2敗で負けとったんやけど、私が2本先取して勝ったんやて」

「マジか?!お前、副将だったの」

「うん。でも大将戦で負けてまった」

「そうか。残念」

「ただね、大将をやっていた子が『あづ紀のお陰で大将戦までもつれ込むことが出来た、ありがとう』って」

「で、なんて答えたんだ?」

「いや、わたし以外、みんな泣いとったから『うん、うん』とだけ返事しておいた」

「お前も泣けよ」

「先生(女性)も泣いとったよ」

「だから、お前も泣けって」


中学に入りズブの素人で剣道部に入ったものの、コロナでろくに練習も出来ぬ日々が続いた。なにせ入学式が行われたのは6月だったからね。それが、よくぞここまで立派に成長してくれたものだ。ま、それも剣道だけの話で私生活の素行はからきしダメだけど。


その剣道も中学を最後にやめると言っている。

「おまえ、高校でも続けるという約束で道具を買い揃えたんだろうが」

面に防具に小手に道着に袴に竹刀に木刀に、剣道部の専用ジャージにその他諸々がこれからが置いておけば邪魔なだけの不用品となる。


「だって、高校に入ったら美術部に入りたいんやもん」

「美術部に入って何をするつもりだ?」

「漫画家になる」

「おまえな、漫画を描くってただのイラストレーターとは違うんだぞ。本もろくすっぽ読まないお前にストーリーが考えられるのか?」

と、軽く釘を刺しておいたが、なりたいというのならばなってみたらいい。その時はその時で応援するつもりだ。自分も人のことをとやかく言える人生を送ってきてないからねぇ。


ただ、剣道部だろうが美術部だろうが、どこで何をしてくれてもかまわぬけれど、これだけは言っておこう。高校に入学出来なければその夢も果たせないからね。そこが目下のところ一番の心配ごとなんだよ。

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