氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

天皇皇后両陛下御用御菓子謹製所「和菓子司 松花堂」の『かき氷』

行き当たりばったりが旅や食事の醍醐味だと思っている自分にとり、行ったは良いが店が休みだったなんてことは日常茶飯事のことで普段は苦にもならない。幾分、ゲーム感覚で楽しんでさえもいる。ただ、今回はおやつ爺いという年寄りが一緒だ。とあらばそんな悠長なことを言っている場合ではない。明日をも知れぬ奴にとっては最後の昼餉となるやも知れない。平凡だが確実性を優先することにした。


「お食事処 みそかつ三和」だ。

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岐阜市ではかなりメジャーな『みそかつ』を売りにする店なのだが、理由はわからぬが閉店、移転したもののまた閉店、その後「柳ヶ瀬」にて新店舗オープン。やっと落ち着いたかと思った矢先、何故か発祥の地でも再開と謎の経緯を辿っている。お家騒動の臭いがプンプン漂ってくるね。ま、それは置いといて、久しぶりに訪ねてみたが、特徴的に甘い味噌ダレと鼻孔をくすぐる山椒の香りは相変わらずで星3つ。

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自分の中では岐阜で3本の指が入るみそかつの名店だと断言しよう。お値段も『ロース味噌かつ定食(1,000円税込)』となかなかお値打ちだ。


「ここはオレが払っておいてやるよ」

サッと伝票を手にレジに向かう自分。

「だって、おまえ誕生日だっただろ?」

爺いのクセについ先日まで自分よりも年下だったことが信じがたいが、彼にとって来年はもう来ないかも知れないじゃんね?それに温情をかけることにより優越感が得られるだろ?


さて、これからが「おやつ爺い」の本領発揮です。岐阜市伊奈波通りに「天皇皇后両陛下御用御菓子謹製所」の看板を抱く和菓子屋がある。

「和菓子司 松花堂」だ。

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夏になると涼しげな暖簾がかかり『かき氷』が売りに出されるのだ。なんと、この創業百有余年の老舗和菓子とおやつ爺いが親戚だというのだ。ということで『かき氷』を食べに来た。

youtu.be


見ての通り店頭に並ぶ和菓子は6~7種類と非常に少ない。

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先にも述べたが「天皇皇后両陛下」に献上を許された高級品を取り扱う和菓子屋だ。

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つまりは各地で行われる茶会のお茶菓子として非常に引き合いが多く、種類は少なくとも季節によりその都度、内容が変わるそうだ。


さて、肝心の『かき氷』だが、自分が選んだのは『和三盆と金時』、爺いが選んだのは『黒糖とわらび餅』だった。まぁ、なんてお上品な味わいだこと。

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「わらび餅やるよ」

と爺いが言うので

「なんだ、嫌いなのか」

と遠慮なくもらっておいた。ひとくち齧ると中から餡こがご登場。

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凝ったことしてるねぇ。どこか一線を画した高級かき氷を口にした思いだった。


親戚筋だというので爺いの顔を立て、この場の支払いは遠慮させていただいた。つまりは爺いの奢り。ま、足代はこっち持ちだからね。これでイーブンか。


自宅まで送っていくと、

「ちょっと待ってろ」

と一旦自宅に引っ込むと、手に丼を2つ持ち、

「良かったら店で使ってくれ」

だって。泣かせることを言うじゃねぇか。

「悪いな。ありがとう」

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骨董品を取り扱う仕事をしている彼曰く、戦前の瀬戸物だと。勿体なくて使えんやん。

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