氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

剣道と駅とぜんざいと

剣道の段級審査に送っていけと次女が言う。

「どこでだ?」

「やまと総合センター」

「やまと?ひょっとして郡上市大和町か?」

ググってみたらやはりそうだった。


「どこにあるの?」

「郡上だよ。なぜにそんな遠いところまで」

「友達がみんな、その日に受けるって言うんやもん」

ということで片道約65km、時間にして1時間30分を掛けて送らされることとなった。おい、わかってる?父の日だよ、父の日。剣道連盟もそんな日を選んでやるんじゃねぇよ。


到着したのが8時45分。終わるのが12時過ぎだというので、約3時間余りをどこかで費やさねばならない。そして僕は途方に暮れる。


取り敢えず喫茶店に行きましょう、そうしましょう。もよりの喫茶店をググッてみると、直ぐ近くに駅舎と一体化した喫茶店があるようだ。ちょっと覗いてみましょう。


そこは長良川鉄道の「郡上大和駅」。

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ひなびた雰囲気が漂う中々よい面構えの駅じゃないか。案の定、無人駅だ。併設する喫茶店の名前も中々よい。アルファベットで「NAGARA」だって。

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ってゆーか、やってねーし。店内を見渡しても人の気配が全く感じられねーし。またしても僕は途方にくれる。せっかくだから列車を見ておこうと駅を散策しながら9時53分の下り線を待つことにした。

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youtu.be

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思案の末、道の駅で時間をつぶそうと潔く「古今伝授の里やまと」へ向かう。すると、途中で異なる看板が目に入った。

「なに?ぜ、ぜんざい喫茶とな?」

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当然、行くよね。途端に使命感に駆られるわけだ。

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店に入る。

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ホットコーヒーを注文する。ここまでは一連のルーティンだ。モーニングサービスの要不要を尋ねられたので、「下さい」と答えた。お年を召した女性二人で切り盛りしているようだ。農作業帰りに立ち寄った客と今年は害獣被害が多いと話をしていた。特にカモシカハクビシンが多く出没するんだって。


「お待たせしました」

コーヒーとモーニングサービスが満を持して登場。

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至って普通のモーニングだね。ただ、ゆで卵がついて来たのは嬉しいな。昨今のモーニングサービスはゴージャスになる一方、トラディショナルなゆで卵が消え去りつつある。


「はい、サービスのおぜんざい。熱いで気をつけてね」

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おいおいおいおい、マジかよ。こりゃ、まいったな。これか~、ぜんざい喫茶と名乗る所以は。後ほどタイミングをみて少し話をさせてもらったら、

「本業は餅屋なの。朝だけ喫茶店

だそうだ。

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怪我の功名じゃないけれど、思いがけず面白い店に出会ってしまった。

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