氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

そこに2つしかない国宝建造物@福井県小浜市「棡(ゆずり)山 明通寺(みょうつうじ)」

その気になればやることは沢山あるのだが未だその気になれないので、こんな時は神仏にでも縋り(すがり)に行こうと福井県はノッチもとい、オバマもとい、小浜市へと足を運んだ。因みに「足を運ぶ」は「わざわざ出向く」という意味なので念のため。だって、向こうから来てくれないんだもん。


福井県といえば自慢できるのは「越前かに」だけと思われがちだが、実は寺院の数は日本一だ。それも圧倒的に、だ。2位は島根というからなんだか笑えちゃうね。おいおい、島根ってどこだよ。たった今、65万5千200人の島根県人を敵に回したかも知れない。


その福井県に2つしか存在しない国宝の建造物を見に行った。「永平寺」じゃないよ。「永平寺」には重文はあっても国宝建造物はない。そもそも自分は「永平寺」という寺が嫌いだ。守銭奴のイメージしかわかないからだ。して、その寺の名は「棡山(ゆずりさん)明通寺(みょうつうじ)」という。

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パッと便秘が解消するかのような爽快なネーミングだよね。


なんとこの寺、創建したのは坂上田村麻呂という。坂上田村麻呂といえば、平安時代に朝命を受け征夷大将軍として今の東北地方を平定した人物だよね。ここ、試験に出るよ。本当に出るかも知れない。一応、創建の理由を天下太平、諸人安穏のためとしていたそうだが、本当は討伐の旅であまりにも沢山の部下を死なせてしまったので、その英霊を弔うためということらしい。本堂でロン毛を後ろに結った寺の職員がそう教えてくれた。


この人がまた凄いのよ。寺の歴史から今に至るまで、並びに収められている仏像の名前から由来まで延々とお経を唱えるように説明してくれる。本堂の中は撮影禁止になっているから、その内容をくどくどと説明したところでチンプンカンプンピーだと思われるので大胆に省くとする。


そして福井県に2つしかない国宝建造物が2つとも、この「明通寺」にある。「本堂」と「三重塔」だ。

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一度は焼失してしまったこの2つだが、共に鎌倉時代中期に再建された。鎌倉時代といえば既に武家を中心にした社会となっているため派手さを嫌う故に地味〜な茶色の建物にされたとか。建築物に無骨さを好んだ時代だったらしい、…とロン毛のお兄さんが教えてくれた。


たまたま、地元の小学生が写生大会に来ていた為、いつもの様に貸し切り状態の厳かな雰囲気は味わえなかったが、賑やかなのもまたよろしい。出来のよいお子様たちは「こんにちは~」と明るく大きく挨拶をしてくれた。まだ午前9時だったけど。


写生大会といえば画板に画用紙、水彩絵具が定番セットかと思いきや、今どきは画板なんて使わないんだってね。地面に直接、紙を置いて絵の具は使わずクレヨンで描いていた。その紙の色も黄土色だったのにはもっと驚いた。


「絵の具は使わないんだ?」

「学校では使います」

だって。微笑ましい光景を背なで感じながらお寺にお別れを告げた。そうそう、いわゆる御本尊である「本薬師如来坐像」と両脇侍の「降三世明王立像」に「深沙大将立像」は写真が禁止されていたので撮れなかったけれど、「不動明王立像」だけは頂きました。

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この4体はそれぞれが国の重文に指定されている。

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