『シン・マックフィズ』は癒やしのワクチン
三回目のワクチンをスコーンと射ってきた。
本当に「スコーン」を音がしたら面白いな、などと無駄なことを考えていたら知らぬ内に終わってしまった。もっと時間をかけて実況中継をしたかったのに看護師がペラペラと話しかけるんだもん。岐阜市では比較的大きな病院だが、自分を知る看護師はそこそこ多い。入院も含め約40年ほどお世話になっている。それだけ付き合いが長いと必然的に看護師の知り合いも増えるってことなんだよね。
それだけではない。前院長(現理事長)が旧知の仲であったがため、自分の職業がバレてしまっていた。となれば宴会需要が見込めると開き直り、センセや看護師に営業しまくったという理由もある。一度の利用が二度、三度と回を重ねるうちに大勢から顔を覚えられてしまったというわけだ。予約専用と称して電話番号まで交換しちゃってるしね。ただそれ以上の進展は今のところ全くない。先日、とある飲んだくれの看護師に「看護師を落とすには夜勤明けを狙えばいい」と教えてもらった。本人がその気になっちゃうって言ってんだから概ね嘘というわけでもなかろう。
さて、病院でワクチンを済ませたとなれば必然的にお次はスイーツだよね。近くにある「スガキヤ」で『アフォガード』でもと思ったのだが、ググってみたら既に販売終了しちゃってるじゃん。なんだよ。代わりに『わらび餅』と『わらび餅抹茶オーレ』ってのがあったけど、う~ん。それには今ひとつ食指が動かない。
ま、いいや、と当てずっぽうにスガキヤに同じく徒歩圏内にある「メッダーノウズ」へと向かった。最悪『マックシェイク』でもいいや。着いてメニューを見るや即決定。『帰ってきたチキンタツタ』は話題にもなっていたから知っていたが、併せてこんなのまで出してるんだ?
自分の前に並んでいたどう見てもオタクなチリチリ頭で腰パンのメガネくんが
「スマイル0円ください」
なんて事を言っていたので思わず店頭のメニューを確認しちゃったじゃないの。よく恥ずかしくもなくそんな事が言えるな、と呆れていたら、どうやら店長らしき人と知り合いらしい。にしても、それってまだ昭和だった時代の使い古されたネタだよ?お前、どう見ても平成生まれだろ。
うざいメガネくんがべちゃくちゃとクルー相手にしゃべりまくり中々その場をどいてくれなかったので、少々イライラしながら『シン・マックフィズ』を注文する。ほどなく、
「はい、おまたせしました」
と0円のスマイルで『シン・マックフィズ』が登場した。のだが…。あれ?
「すみません。ソフトクリームが乗ってないです」
「あ、『マックフロート』の方でしたか?」
「え?ごめんなさい。一番上の文字しか見てなかった!」
やっちまったぜ。まぁ、間違いは誰にでもある。ということで紆余曲折の末、『シン・マックフィズ』の『マックフロート』を手に入れたのだが、クルーの女の子には申し訳ない。君がオーダーミスをしたわけでもないのにひたすら謝らせちゃって。君が悪いわけじゃないからね。悪いのは全部、オタクでチリ毛の腰パンメガネのくだらないジョークしか言えないバカだから。
さて、皆さんがこれをお読みの頃に自分はといえば倦怠感に見舞われ高熱を出してうんうん唸っている予定なので少しは心配しておきなさい。しかし、うんうん唸っている奴を未だかつて自分は見たことがない。