氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

モーニング文化発祥の地でもある愛知県一宮市において明治より続く老舗名店「日の出寿し食堂」

愛知県一宮市といえば喫茶店のモーニング文化発祥の地として中部圏のせま~い界隈では有名な話だが、自分はその一宮の地に足を下ろしたことは記憶をたどるも皆無に等しい。尾張国一之宮として同じく中部圏のせま~い界隈では有名な「真清田神社」には行ったことがある。それも岐阜駅前から走ってだ。往復で約28km。今の体たらくな自分からは想像も出来ぬほどストイックな精神の持ち主だったんだな、と半ば呆れ返る。因みに読み方は「ますみだじんじゃ」なので念の為。


で、今回はモーニングの話でもなければ真清田神社の話でもない。シリーズ「老舗探訪」は、明治の昔から地元民に愛され続けた店「大衆食堂 日の出寿し」だ。ただ、ちょっと早く着きすぎちゃったぜ。オープンは10時30分と下調べだけはバッチリだ。あと15分もあるじゃない。仕方がないから少し辺りをぶらぶらと歩いてみようかね。


するとネーミングがどうにも気になる店を発見。その名も「あんこや」だって。

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なんの店だろ?まったく想像もつかない。取り敢えず店の中を覗いてみる。えぇ…、嘘でしょ?店内、お客で飽和状態じゃん。おまけに表には車列までもが出来ている。開店時刻は8:30~完売までと看板に明記されていた。それ見ただけで人気店だってことがわかるよね。


しばらくその光景を眺めていた。そして若干、客が引けたところで潜入を試みる。

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「あの~、表の看板にあった『よもぎりあんころ餅』ってのはありますか?」

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「あぁ、あれはね、5月の連休明けくらいからの販売なんですよ。今のおすすめは『草餅』になります」

「あ、じゃ『草餅』と『桜餅』を下さい」

「ありがとうございます」

取り敢えずデザートはゲットだぜ。


さて、本丸へと向かう。暖簾が出ていたので「頼もう!」と勢いよく戸を開けようとしたら、外観に似合わず自動ドアだった。

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既に先客が1名。朝っぱらから焼酎をお湯割りで飲んでいた。そうか、愛知県はまん防中でも飲めるんだな。岐阜では取り敢えず3月6日までは禁じられている。その後はどうなるのか未だ想像出来ない。


「お客さん、ランチ?」

「ランチなんてあるんですか?」

「あるけど、ちょっと待っとってね。まだ時間が早いから。なんならそこに置いてあるものを取って食べてもらってもええよ」

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「あ、じゃぁ待ってますからランチでお願いします」


然程、待つこともなくランチが登場。なんともこの店らしい、無骨な内容だ。

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「あと、これにエビの天ぷらが付くでね」

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この後も続々と来客があったが、殆どが年寄りばかりだ。加えて殆どが何度もいうが午前中だっちゅーのに酒をあおっていた。つまり昼飲み族の店なんだね。くどいようだがまだ午前中だけど。


支払いにはPayPayが導入されている。ランチは700円と格安だ。ホールのおばちゃんが教えてくれた

「毎週ね、火曜日だけはエビの天ぷらが出るの。その他の曜日は魚やけどね」

つまり、あなたはラッキーだったと言いたかったみたいだ。おばちゃん、貴重な情報をどうもありがとう。


以前にも言ったが何度でも言おう。百年以上続く鰻屋だからこそ、そのタレの味は時代に合わせ変化しているという。この店にしても自動ドアであるとかPayPayであるとか時代のニーズに柔軟に対応しているからこそ明治の昔から存続が可能だったのだろう。


「店名に寿司ってありますが、寿司はやってないんですか?」

「以前はやっていた事があったかも知れません」

若旦那に聞いても店名の由来がわからないほど昔の出来事だったみたいだ。


そして、待望のデザートを嗜む。

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草餅は粒あん、桜餅はこし餡だったが、屋号の「あんこや」が示す通りあんこの美味さは共に絶品だった。

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5月になったら「よもぎ入あんころ餅」を絶対に買いに来よう。

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