氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

「喫茶・ママンヌ」はヤバい

とうてい、この人のセンスには敵わないと思わせられる、絶望という名の尊敬を抱かせる人がいる。それが良いか悪いかは別にして真似が出来ないことは確かだ。


その店は人知れず、というか知っている人は知っている。知らない人は全く知らない。当たり前やっちゅーの。名は「喫茶・ママンヌ」という。

 

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もう、入り口から意識がぶっ飛ぶ。

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いったいどこへ誘われるのだろう?エントランスはごちゃごちゃした飾りさえ無ければ普通の民家だ。

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恐る恐る戸を開けてみると、もうひとつの引き戸に直面する。更にその戸をも開けてみた。

 

「いらっしゃいませ」

見た目は上品な出で立ちだが、服装はどうみても時代錯誤な女性がお出迎えをしてくれる。いや、時代錯誤だが、むしろこの店の内装を見れば当たり前にさえ感じられる。人当たりの良い、チャーミングな女性だ。


「お代は先払いとなっていますので、先にオーダーをお決め下さい」


メニューはジャズアルバムのジャケットを利用している。店内にもジャズが流れていることから、ジャズがお好きなのだろう。内容も至ってユニークだ。

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ホットコーヒーは「『ロシアより愛を込めて』を下さい」と注文するのだろうか?


「表の看板メニューに『ペーター』ってのがあったんですが、それでもいいですか?」

「あぁ、はい。いいですよ。あれ、テイクアウト用のメニューなんです」

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果たして登場したのは「青色のクリームソーダ」だった。

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因みに赤は「ハイジ」で緑色は「ヨーゼフ」だ。


貸し切りだったので色々とお話を聞くことが出来た。

「そのお召し物も随分と昭和チックですよね?どこかで買い求めることが出来るんですか?」

「古着屋さんでも中々、手に入らないので、友達のお婆ちゃんや知り合いのお婆ちゃんに頼んで頂いているんです」


どうやら喫茶店以前は昭和チックな雑貨屋を営んでいたらしく、その名が「ママン」だったらしい。フランス語で「ママ」のことだが、「ン」は単にノリで付けたとのこと。装飾品等は以前からコツコツと集めたものを利用し、内装も息子さんに手伝ってもらい純和室を自ら改装したのだと。絨毯の下からは畳が顔を覗かしていた。

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一見、雑多なイメージだが、何故か無性に落ち着くのは昭和の昔を知っているからなのかも知れない。毎日でも通いたい程、気に入ってしまったのだが、残念ながら自宅からは遠すぎる。おまけに月の前半は店を休んでいるそうだ。他にも仕事を持っていることが理由らしい。


「玄関にはっさくが置いてあるので良かったら好きなだけ持っていって下さい」

と帰り間際にお声がけ頂いたのでお言葉に甘え4つ貰っておいた。

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そして、それを以てまた伺う事の約束とした。

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