氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

宮内庁御用達「八丁味噌」@カクキューの「味噌ソフトクリーム」

岡崎といえば八丁味噌だろ。ということで、八丁味噌で有名な「カクキュー」を訪ねた。これはもう、随分と以前のことになる。味噌蔵だけに「蔵出し」よ。なんちゃって。


八丁味噌と聞けば「赤だし」を連想させられるが、八丁味噌で作った味噌汁が即、赤だしになるわけではない。「赤だし」は「赤だし味噌」で作ってこその「赤だし」だ。ま、その「赤だし味噌」の元が八丁味噌であることに変わりはないのだが、八丁味噌に鰹節を練り込んだものや米味噌を練り込んだもので作られた味噌汁が、すなわち「赤だし」と呼ばれる物となるわけである。


伝統のある建物にはおのずと風格というものが滲むものだ。昭和2年に建てられた本社社屋は国登録有形文化財に指定されている。

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岡崎に来るのも最初で最後かも知れない。多少、帰宅の予定時間が押してはいたが、せっかくだから工場見学をさせてもらおうと申し込んだ。当然、無料だったということもある。


余談だが、この地方に住まう人の中には味噌汁=赤だしと思い込んでいる人がいる。同郷の者と料理の鉄人として名高い道場六三郎の店「ろくさん亭」へ行った時のこと、その彼がウェイトレスをつかまえて、

「すみません。赤だし無いですか?」

とやらかした。


「申し訳ございません。赤だしはご用意出来ませんが、味噌汁ならばございます」

「味噌汁?赤だしでしょ?うん、それ頂戴」

「赤だしではございませんが…」

「え、味噌汁でしょ?赤だしやん」

面白かったので終始、無言を決め込んでおいたが、彼は今でもその様に思っているのだろうか?


さて、見学とはいえ主に資料館の中がメインだ。

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因みに資料館そのものも国登録有形文化財に指定されている。江戸の昔をしのぶ味噌作りの風景がリアルに人形で再現されていた。

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醸すという技術に於いては酒造りに似たところがある。それ故に楽しく勉強にもなった。圧巻は実際に味噌が寝かされている味噌蔵だ。

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蓋の重しとなる石積みにも職人の長年の経験と技術が必要と聞かされた。誰にでも出来るものではないという。

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城の石垣に相通じるものを感じた。蔵見学が終わると最後に味噌汁の試飲がある。

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寒い日だったので温かい味噌汁が五臓六腑に染み渡った。因みにカクキュー最高峰にして最高値の味噌を使った味噌汁なんだって。

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外に貼ってあった「味噌ソフトクリーム(税込400円)のポスターをジーッとみつめていたら、一緒に見学をした若い女性から

「本当に味噌の味がしますよ」

と後押しが来た。地元の娘さんが大阪から来た友人をもてなす為に見学に来たらしい。


「ぜひ!」

と更に畳み掛けられたので意思を固め購入に踏み切る。

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あら、やだ。笑えるくらいにマジ味噌風味。しかもめちゃくちゃ美味い。今年になって食したソフトクリームの中では間違いなく3本の指が入るほどの美味さだ。ただ、寒さから来る後の震えが暫くの間、止まらないでいた。

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