「殿、お人払いを」されたわけでも無いのに貸し切り国宝「彦根城」
ここらで滋賀県にまで来た本当の理由をお伝えすることにしよう。取り敢えず昨日のおさらいをサラッとしてみるよ。
わざわざ初詣の為と称して滋賀県は野洲市にある「御上神社」に国宝の本殿を拝みに来た一行だが、いくら下道を使おうとも朝の七時に出発すれば全ての行事は午前中で事足りてしまう。まだまだ時間はたっぷりとある。そうだ彦根、行こう。ということで、滋賀県といえば国宝の第一等（と自分が勝手に思い込んでいる）彦根城を拝みに行った。
いや、本当はね、ここ彦根城に行くことがメイン行事だったんだけど、それだけでは時間を持て余すしネタ的にもボリュームに欠けるじゃんね。ごめんね「御上神社」。でも野洲市って田舎すぎて他にそれらしい所は何もないところだし。その点、彦根は大都会？だ。「たねや」もあれば「クラブハリエ」だってある。
表門に一番近い駐車場に車を止めるとパーキングスタッフの熟女がやってきて窓を下ろすようにゼスチャーで示す。
「天守に行かれます？今、表門からは途中、整備していて登れないんですよ。で、５分ほど歩かれて大手門からになりますがよろしいですか？」
正直、天守に行くことが目的ではないものの取り敢えず訊いてみる。
「じゃ、大手門に近い駐車場にしてもいいですか？」
すると
「あちらの駐車場は雪の為、今は閉鎖になってるんです」
つまり、結局はここしか無いってことらしい。いや、本来の目的は表門にあるのだから別にここでいいんだけど。
ただ、あまりにも到着時刻が早すぎたので、時間つぶしも兼ね天守に行ってみることにした。かれこれ５年ぶりだろうか？城になど全く興味がないと嫌がる坊主を無理やり連れてきたことがあった。奴が中３の頃だった筈だ。
しかし、自分は持ってるのか、はたまた人類に嫌われているのだろうか？人っ子一人いない彦根城の外観を舐める様に堪能させてもらった。
ただ肝心の城内はといえば、せっかくの貸し切りだというのに板張りの冷たさに足裏が耐えきれなくて堪能するどころか全速力で駆け抜けただけだったけど。
さて、そろそろ午後も１時半だ。滋賀に来た本来の目的を思う存分に堪能させてもらおう。
さぁ、いでよ！ひこにゃん！
そ、１時半になったらね、表門の近くにある「彦根城博物館」に出るのよ、ひこにゃんが。かつてはゆるキャラ界の王座に君臨した伝説のゆるキャラひこにゃんに、死ぬ前に一度でも会ってみたかったんだ。
何故か城にも玄宮園にも人っ子一人いなかったにも関わらず、ひこにゃんが登場するとなればどこからかゾロゾロと人が集まりあっという間に現場は密々。ひこにゃん人気に陰りなしといったところだろうか。
しかし本当に愛くるしい。顔もそうだがなんと言ってもお腹の丸みだ。自分をぽっちゃりの熟女好きに誘ったのはひこにゃんと言っても過言はない。その可愛らしいお腹を思う存分堪能すると、名残を惜しみながらも家路へとついた。
