超ナルちゃんな町の征服者。
不届きにも地域住民を町おこしと称し誑（たぶら）かし、尚且つ籠絡しようとせんが為、自社の門前でイベントを開催するからご協力をと言われたものの、労力的にもタイムスケジュール、略してタイスケ的にも厳しいものがあったので今回はあまり丁重では無かったもののお断りをさせて頂いた。
そう、毎朝、長女を学校へと送っていく道すがらにある「坂口捺染」だ。先ずは小さなことからコツコツと。住所は岐阜市中西郷にあるのだが、いずれは岐阜市坂口町にする予定だという。究極のナルシストを自負しているだけに、社の正面には巨大なＴシャツとともに自身の写真が大きくプリントして飾られている。
さて、残念ながらイベントへの出店は見送られたものの、お客として伺うには吝かではない。というわけで娘たちを誘おうかと思ったら、長女は布団の中でサナギとなり羽化待ちの状態、次女はといえば明日に控えた剣道の練習試合のため、早朝から部活動へと出かけてしまっており不在。仕方がないので１人で散歩がてら出かけてみた。
どこから湧いて出てきたのかと言わんばかりに、10時の開場と同時に大勢の家族連れで賑わい活況を呈すこととなり、その光景を目にしたナル社長は「しめしめ」とほくそ笑んでいたことだろう。中西郷征服への記念すべき道標だと。
さて、自分もただブラブラさせていた、もといブラブラとしていただけではない。せっかくだからお買い物しましょ。最近、焼き芋界で話題となっている壺焼き芋の店舗が出店していたので購入してみた。
恐らく自分の口には一切入らず娘たちの胃袋に収まることになるであろうから、味覚についての寸評は期待されたところで出来まへん。想像だが多分、美味しい。
寒風吹きすさぶ屋外でのイベントにつき、温かい飲み物をとホットコーヒーを所望した。岐阜県は北方町という岐阜市と合併し損ねた場所にある「GLOWTH COFFEE」の自家焙煎珈琲だ。なんでも「岐阜春日村の天然水で淹れるコーヒー。スペシャリティコーヒーのミャンマーモーテート農園の豆を使用」したものだとか。あぁ、あのモーテート農園のね。知らんけど。ただうんちく候に稀なる美味なコーヒーだった。
そして知人が営む団子屋も知人不在ながら出店していたので恩着せがましく15本も購入した。15本買っても600円というスペシャリティ団子の上西郷「おだんごらんまる」の団子を使用、とタダで宣伝しておいてあげよう。
束の間だったが楽しいひとときを過ごせすことが出来た。が、以前、職場でアルバイトをしていた女子がお母さんとなり、その場で目撃され挨拶された時は少々、恥ずかしい思いをした。だってスエット姿のほぼ起き抜けの格好だったんだもん。
帰りすがら、ついでにと無人販売の柿を買ってみた。
生まれて初めてのことだ。柿は買うもんじゃねぇ、貰うもんだ、がモットーの岐阜人だが、料理の飾りにとこの畑から大量の柿の葉を、それも無断で頂戴しちゃったものだから、せめてもの罪滅ぼしをと思いまして。こう見えても私ってけっこう気を使う人じゃないですかー。
