パラサイトする家族
我が家には玄関が２つある。それは以前にも述べたが、隣に住む独居老人（老女）が亡くなったのを機にその家を購入したことによる。もっぱら隣家の方の玄関は物置と化してしまっており、冬用タイヤなどの置き場としているのでめったに外から近づくことはない。然しながらそちらの玄関前に植えてある柚子の木が９月頃から実を結び始め、この時季になると黄色く染まりだす。それを確認しに行くと案の定、綺麗な黄色の実がいくつもぶら下がっていた。
ふと見ると、今迄見たこともない「なんだこりゃ？」な実をつけた木が立木となって近くにも生えていた。
この実なんの実？そこでグーグル先生の出番です。「Googleレンズ」で検索したところ、どうやら「ヒメタチバナ」という種類らしい。
で、その「ヒメタチバナ」を調べてみたところ、ミカン科金柑属の果物だってさ。ただ、調べても調べても同じ名前の競走馬のデータばかりがサイトを埋め尽くし、どの様に利用すればいいのかが全くわからない。
知らない内に生えていた木だし、今の今まで気が付かなかったのだからこのまま放置しようかと思う。
気象庁によればスタッドレスタイヤに履き替える目安となる気温は約４℃らしい。４℃前後が連日続くのであれば、そろそろ履き替えのシーズンというわけだ。ということで、第２玄関に置いてあるスタッドレスタイヤに目をやると、何やら見慣れない段ボール箱が置いてある。
「なんだこりゃ？」PartⅡ。
開梱してみるとアルミホイールだ。それも新品の。
「あの野郎、また買いやがったな」
宅の坊主の話である。今、乗用している車は生意気にもおフランスの車なのだが（フランスの車というだけで実勢価格は35万円程度だとか。以前、事故を起こした際に保険屋からそう告げられた）、それを日本車に乗り換えたいとほざく。ただ、ご存知の様に半導体が極端に不足していることから新車の生産が追いつかず、その為、中古車市場がアホほど活況を呈している。よって、坊主が所有したがっている国産のマニュアル車が目が飛び出るほどの高価格となってしまっておりとても奴に手が出る価格ではなくなってしまった。
「諦めてこの車をカスタマイズして乗ることにするわ」
との決断に至ることなったらしい。
「まぁ、それが無難だろう」
親としても当然、そう考えるわけだ。だって、新車価格よりも高値で売られている中古車がことマニュアル車に関しては実際に出てきているんだもん。にしてもいいよな。自分が稼いだ給料を自分の為だけに使えるって。
そりゃ嫁にも嫌味を言われるが道理だ。
「少しは家に金を入れたらどうなの！」
オレもパラサイトシングルになりてーよ。
