氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

起死回生の逆転劇からのぉ~

明け方5時。夜明け前の空は一面、紫色に似た黒に染まっている。西の空に上弦の月が静かに浮かぶ。しかし寒い。各地で今季一番の冷え込みだと聞く。気象庁によれば午前5時の岐阜市の気温はちょうど6.9℃だったとか。何をしてちょうどと言わしめるのか自分でも定かではないが、とにかくセクシーな朝だったことに違いはない。

 

ハイエースのイグニッションにキーを差し込みクラッチを踏む。クラッチを踏まねばエンジンが掛からないシステムだ。何故そうしてあるのか理由はわからぬが、何らかの誤動作を防ぐ目的があるのだろう。

 

おっと、忘れちゃいけねぇ。イグニッションを回す前にやることがあるだろ。そう、シートベルトだ。いつからかシートベルトをしていないと気持ちが落ち着かなくなった。我ながら良い傾向ではないか。カーレースを見ればその重要性がよくわかるというものだ。

 

今更だがクラッチがあるということはもう、おわかりだろう。マニュアル車だ。通な言い方をすれば「かき回し」となる。正直、ハイエースくんだりでかき回す醍醐味が味わえるかといえば皆無だが、プライベート車もオートマとなってしまった今となっては走り屋時代を思い出す貴重な存在だ。因みに嫁と坊主はマニュアル車だ。

 

準備万端。イグニッションを時計回りに勢いよく回すとエンジンが唸りをあげる。唸りとはいえスポーツカーのそれとは縁遠く、例えるならば寝床から起き上がる時にじじいがもらす勢いづけの唸りといった程度だ。

 

ふと見ると、インパネにオレンジ色の光が点灯している。えっ?昨日、駐車場に収めた時にはまだ点灯してなかったじゃん。そう、FUELメーターのエンプティーランプだ。また、やっちまったぜ。なにもガソリンスタンドが寝静まっているこんな時刻に点灯しなくてもいいじゃないか。

このまま市場まで走り場内や場外を仕入れのために移動をし、そして仕入れが済めばお次は職場に向かい系列各店への配送を済ませる。その後、自宅近くのGSへと給油に向かうことになるのだが、果たしてこのプロセスを踏むことは可能だろうか。

 

「ええい、ままよ」

今迄だってそうしてきた。きっとこれからも変わらずそうし続けるだろう。それがこのオレが今まで生きてきた道筋であり、今後も男の生き様として揺るぎなきものとなるに違いない。

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まぁ、こんな悠長なことを記していられるのも問題なくクリア出来た証拠でもあるのだが、結果をいえば無地GSに辿り着くことも難なくできてしまった。走行可能距離も7kmと余裕のよっちゃん

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さて、給油しようとカードを入れる。

 

「このカードは現在使用出来ません」

との文字表示が浮かび上がった。えっ、どゆこと?

 

あ、そういえば!先日、口座残高不足でカードの引き落としが出来ませんでしたと督促状が来てたけど、このカードのことだったか!これじゃぁ、せっかくの土日給油値引きの恩恵が受けられないじゃないのよぉー。仕方なし。1,000円分だけキャッシュで給油し慌ててコンビニに走り支払いを済ませる。その後、カード会社に電話で確認をすると、

「はい、ファミリーマート様での支払いが反映されております」

だって。一件落着。改めて給油に向かいましたとさ。

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