氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

密です、密です!(死語?)

スポーツの秋、ということで、次女が通う中学でも体育祭が開催された。小学校と違い中学校は平日開催が常みたいだ。中学生ともなれば我が子見たさで集まる保護者も少なかろう、という思惑が絡んでのことかどうかはわからないが、どちらにせよ小学校の運動会ほど盛り上がらないのは必然だ。とはいえ、見学したい保護者もきっといるに違いない。自分もその一人だ。

 

市場での仕入れに仕事をテキトーにこなし急ぎ分配、配送を済ませると、音速で帰途につく。自宅周辺にたどり着くと、腫れたまぶたをしたJCが此方にに向かい歩いて来るのが見えた。車を止め窓を開ける。

「おはよう。今日、体育祭だろ?何時から?」

「ん~、わからん。来るつもりなの?」

「うん、そうしようかなと思って」

「でも保護者観覧禁止やよ」

「え、マジで?」

「密になるとあかんからやって」

 

なんだ。こんな機会は滅多にないと考え楽しみにしていたのに。しかし、何でもかんでも「密」で片付けるんじゃなくて、そうなる要素があればそれを回避する方法を考えたらどうなんだ。あ、それが観覧禁止なのか?違う違う、そうじゃなくて、要するにアレだ。あくまでも想像だが一番の懸念は保護者同士のお喋りだと思う。ママ友同士のピーチクパーチクは十分に想像が出来る。

 

だったら男性に限り観覧自由にしてみたらどうだろう。タダでさえ日中は仕事をしている男性が多いだろうから必然的に密にはならない。オマケに男同士でピーチクパーチクは見た目にもキショい。よって静かに見守ることが多いと思う。加えて自分も男性の端くれなので観覧することが出来るという、まさに一石二鳥の名案じゃないか。

 

ま、終わってしまった事にあーだこーだ言っても残るのは虚しさだけだ。すっぽりと時間が空いてしまったので、暇つぶしに「期日前投票」に行ってみた。人生初の「期日前投票」だ。近くのコミュニティーセンターで開催されている。

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会場に着いてからはたと気づく。投票用紙を忘れて来てしまった。自分のアホさ加減に腹が立つ。取りに戻るのも面倒なので、物は試しと訊いてみた。

「すみません。投票用紙を忘れて出て来ちゃったんですが」

「いいですよ。あれは投票用紙じゃなくて入場券ですから大丈夫です。では此方をお書き下さい」

と1枚の書類を渡された。

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なんだ、ヤケにあっさりとしているじゃないか。期日前投票も選挙当日に同じく、もっと厳かなものかと思っていたぜ。実際、選挙のハードルなんてのはこんなもんよ。鼻くそほじりながらでも出来ちゃうから若者達もジャンジャン行きべきだ、てゆーか行きなさい。

 

しかし選挙当日が密になることを避けるのも目的にした期日前投票だと聞いていたが、駐車場はいっぱいだし人もそれなりに溢れそのくせ投票所は狭い。これを密と言わずに何をして密という、早見優な混沌とした投票風景だった。こうして人生初の期日前投票は感動もないままフィナーレを迎えた。

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