氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

あなたのラッキーナンバーは?

長かった休業も明け穏やかに日常が始まった。久しぶりの早朝出勤だ。このひと月の間に随分と夜明けが遅くなった。ただ来たるべくこの日の為に毎日4時には起床していたので身体の方はしっかりと準備が出来ている。さて、夜空のグラデーションを楽しみながら仕入れに向かうとしますか。

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本当は嫌々だけど。好きな言葉は冷夏と不労所得です。

 

翌日の再開を控えやらねばならぬことが山ほどある。山を登ることはご存知の様に大好きだが、自ら積み上げる山なんて大嫌いだ!まぁ、愚痴っても仕方がないので目の前の出来ることをひとつひとつ消化して行くしかない。わざわざ帰宅するのも時間の無駄なので、市場から直行で職場に入る。

 

「ピピピピッピピピピッ」

ん?なんだ?スマホのアラームが突然、鳴り出した。画面に「山内ホスピタル」と文字が浮かんでいる。しまった!今日は定期検診の日だったぜ。すっかりと忘却の彼方だった。以前にも言ったがもう一度言おう。自分には二十歳の頃に発症した「潰瘍性大腸炎」という持病がある。そう、あの安倍ちゃんと同じ病だ。これによりずーっと死ぬまで病院通いをせねばならない憂き目に有っている。大量のクスリを貰うにはこの定期検診を受けなけれbならない。

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ま、一病息災って言葉もあるからそれはそれで良いことなのかも。

 

で、急遽仕事を抜け出し病院へ向かう。着いたところで先ず驚く。なんだ、この車の量は。車が中々止められずウロウロとしていたが、やっと1台分が空き早い者勝ちと滑り込ませた。病院の入り口でまたも驚かされる。職員による検温で行列が出来ている。オマケに座席という座席が全て埋まっていた。まぁ、これについては座席がソーシャルディスタンスを取っていたからわからんでもない。然しながら見る顔見る顔がほぼお年寄りの顔だったことにはその理由を推測し、何となく理解出来た気がする。

 

こうまで大挙してお年寄りが来院するのも緊急事態宣言解除とワクチンによるプラシーボ効果に他ならないだろう。我が鎧を得たとばかりに勢いづいたに違いない。あくまでも勝手な推測だが、コロナ以降、久しぶりに賑わった光景を拝まされることになった。

 

比例して薬局もさぞかし枯れ木の賑わい(失礼!)かと思いきや、驚く程に静まり返っていたのには少々、拍子抜けした。診察を受けても投薬の必要がない人がほとんどなのだろうか?

 

お薬手帳をお持ちですか?はい、ありがとうございます。では此方の受付番号をお持ちになってお待ち下さい」

いつもながら愛想が良い。

 

受付番号を見る。おっと!ラッキー69じゃないか。ほら、先日引退発表をしたあの強い白鵬関も第69代横綱だよ。縁起の良い数字を得たことで一人歓喜に浸る。

 

「お待たせしました。受付番号69番の方は5番カウンターにお越し下さい」

おぅ!オレが69番や!と肩を怒らせ胸を張りカウンターへと向かう。いつもの様に「お変わりないですか?」とか「先日の食中毒はもう治まりましたか?」とか「その時のクスリは全部お飲みになられましたか?」とか訊いてくる。もう、ホントこれ苦手なんだよね。前にも言ったけれど此方はとっとと会計を済ませいち早くここを出たいんだ。

 

まぁ、テキトーに返事をし「ありがとうございます」と一応、礼をいい出口に向かったところでふと思い立ち踵を返す。

 

「あのー、すみません」

「はい、なんでしょう?」

「先程の受付番号が書かれた札を頂戴しても良いですか?」

「これですか?いえ、大丈夫ですがゴミになるだけかと」

「いや、いいんです。では頂戴します」

 

ゴミになるかどうかは此方が決めること。後生大事とお守り袋の中に入れておくとしよう。

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