氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

今日から「山男ブロガー」になります(大嘘)

最近、「登山ブログをお書きになっているんですね」などとよく言われる。そうか。ならば調子に乗ってそっち系に移行するのも悪くはないな。質実剛健、且つ品行方正な内容ばかりでは飽きが来るというものだ。多少は登山というエロティシズムをも兼ね備えた内容の方が少なくとも殿方は食いつくだろう。ほら、山と聞いただけでついついアレを想像しちゃうよね?そんな奴等なんです、男ってぇのは。

 

というわけで日曜日も早朝に目覚めると明らかに天気が良い。こんな時はランニング?いやいや、ランニングも良いが山の声に耳を傾けるのも一興だろう。

「ちょっと出かける。午前中には帰る」

 

別に心配されてもいないだろうが、一応はそう断ると愛車のカブリエーラにまたがりラッタッターとお出かけした。ソフィア・ローレンはまだ元気だろうか。あ、このくだりがわからない人はスルーして頂いてけっこうです。

 

自然を愛し牧畜を愛す人の為の公園が岐阜市の椿洞というところにある。通称「畜産センター」と呼ばれているが、正式名称は「岐阜市畜産センター公園」だ。その直ぐ北側に「如来ヶ岳(にょらいがたけ)」という山がある。今回はそこに登ってみましょう。因みにカブリエーラで自宅から約20分。しかし朝のバイクは長袖を来ていても小寒く感じられる様になりました。

 

登山口付近に到着する。がしかし、登山口を示す看板こそあれ登山口らしきものが全く見当たらない。

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目の前で農作業をしているおばあちゃんに訊ねてみることにした。

「すみません。この山の登山口わかりますか?」

「あぁ、如来ヶ岳やね。本当はこの草ボーボーのところが登山口への道なんやけど、草で隠れてまっとるんやてぇ。案内したるゎ」

とわざわざ登山口まで案内してくれた。

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おばあちゃん…。思わず落涙。そろそろ秋の花粉が飛び始めたぞ。

 

登山道は気持ちのよい竹林から始まりアップダウンはあるものの、急登と呼べる道もなく実に登りやすい。

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踏跡もくっきりとしていて初心者でも安心して登れる山、かと思いきや、どうやら野生動物が多くいそうだ。土を掘り返した後が多々見られる。

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用心に越したことはない。慎重に周りを伺いながら登っていると、いきなりバキバキバキ!とラップ音がしたかと思えば何かが谷に向かって駆け下りていった。姿が見えぬということはイノシシか?!

 

怖っ!ただ、向こうも怖いはずだ。大丈夫大丈夫と自分に言い聞かせドキをむねむねさせながら更に進むこと3分後。「キュー!!」と鳴き声を上げながら十数メートル先を野生の鹿が横切っていくのが見えた。登山中に猿は何度も見たことがあったが、鹿は初めてのことだったのでわずかばかり感動してしまった。イノシシじゃなくて良かった(ホッ)。

 

途中、「済法寺跡地」と書かれた看板を見つける。

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西暦900年代、つまり1000年以上も前にこんな山中に寺が建てられていたらしい。醍醐天皇の時代だそうだ。何を思ってわざわざこんなところに。まぁ、世の中には物好きな人が沢山おりますから、つまりはそういうことでしょうねぇ。

 

山頂には当然誰も居ない。ただ期待していなかった景色はそれほど裏切るものでもなかった。

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とはいえ自分にとって残念だったのは景色を拝むことよりも、セルフでバックポーズを撮影することに一所懸命だったことだ。なんとか頑張って撮影することが出来たことを全力で褒めて欲しい。

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下山すると草でボーボーだった登山道をおじいちゃんが「ウィーンウィーン」と音を立て草刈り機で草を刈っていた。

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「あ、わざわざ道を作って頂いてるんですね。ありがとうございます」

と礼をいうと、

「あんたか?さっき登ってったの。うちのおかあが『あそこ草ボーボーで道が見えぇへんでなんとかせなあかんわ』ゆーもんでちゃっと刈っとるんやぁ。もう、下りてきてまったんか。ちょっと早すぎるゎ(笑)」

「すみません。また来ます(笑)」

 

おじいちゃん…。涙は出なかったが気持ち良すぎる朝だった。

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