氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

「進撃の巨人」を撃退す

土曜日にしては珍しく坊主が早起きだ。というか土曜日だという感覚すら既に失ってしまった自分がいる。それでもいざという時の為に臨戦体勢でいることは怠らない。毎朝、きっかりと4時半に目を覚ます様にしている。言い換えるならば自然に目が覚めてしまうともいえるけどね。それが習慣なのか年齢の所為なのか、まぁ何方もだろう。で、そんな事はどうでもいいんです。

 

朝っぱらから玄関先に誰かが来ている。その誰かに坊主が応対している。なるほど、来客に合わせて早起きをしたということね。ま、早起きちゅーても既に午前9時をまわっているけど。奴にとっては早起きだ。相手が誰かもわからず自分には関係ないと放置していた。

 

自室でPCを眺めながらあんな事やこんな事を検索していると、坊主がラップトップPCを手に「今いい?」と部屋に入ってきた。慌ててブラウザを閉じる。

 

「今、◯リバーが来とるんやけどさ、このランエボが諸経費込みで300万ちょいって言うんやて」

とラップトップを開いて画面を見せる。

「は?ランエボ買うの?」

「いや、こんなの高くて買えんって言いたいんやけど、口が上手くて中々断れんくて。で、親父に相談してきますって」

「で、オレは何を相談されとんのや?」

「断ってくれんかなって」

 

かー、情けない。ガ◯バーがここにいる経緯は一切わからないけれど何にしろ自分で蒔いた種だろ。いらない芽が出たのならば自分で摘めよっちゅーの。仕方ない。たまには父親の威厳を見せてやろうか。

 

「あのね、悪いけれど300万なんて到底無理だね」

「そうですか?相場としてはお値打ちなんですけどね」

「お値打ち云々よりも300万が高すぎるって話よ。ゆーてもまだ未成年のクソガキに300万もの借金を背負わせるわけにはいかん。悪いけど帰って」

「わかりました。失礼します」

思いの外、すんなりと帰って行った。髭面のジョージ・クルーニーが出てきたらそりゃ誰でもたじろぐだろう。

 

当然、そのままでは済まさない。事の経緯を問い詰めると、友人が車を買おうとガリバーに相談したら、オークション出品車をリストアップして教えてくれたとか。同じくそれを頼もうとしただけなのに「ご自宅までお伺いします」となったらしい。

 

「オレはな、ガリ◯ーなんてところは元々、信用してねぇんだよ」

かなり以前の話だが、自家用車を査定してもらったことがある。「持って来い」と言われ素直に持って行ったら「3万円」とその場で言われた。納得が出来なかったのであと数社に声がけすると、わざわざ見に来てくれて各社20万円を付けてくれた。だから絶対にガリバ◯だけは信用出来ねぇ。

 

そんな事もアレだけど、お前まだオレへの借金を全額返済出来てねぇだろ。全てはそれからだとキツく言いおいた。

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