氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

雨に降られりゃ髪型はどうせ乱れる

「髪の乱れは心の乱れ」と中2の時に何度も聞かされた覚えがある。その頃は人生で一番やさぐれていた時でもあり髪型どころか服装まで乱れに乱れていたのだが、まぁ今にしてみればそれもいい思い出だ。つーか、冒頭の言葉を最初に口にしたのが野村克也だったということを初めて知った。後世に残る名言だよね。現世に於いては全く当てはまらんけど。それはともかくとして、良かった。まだ乱れるだけの髪があって。

 

菅さん、お疲れさまでした。見た目には判断し難いが相当に心が乱れていたのだろうね。そんなことよりもキリンビール党としてはキリンビールの社長が早逝したことの方がショックだ。ご冥福をお祈りします。

 

髪の乱れもなんのその。雨の中、果敢にも裏山トレイルに挑んだ。厳密にいえば途中で雨が降って来たのであって、降られることは想定外だった。山って登っちゃうと途中でコースを変えるってことが出来ないことが難点のど飴なんだよね。ま、木々が多少なりとも傘代わりになってくれるので、言うほど濡れ濡れになることもなかったけれど。

 

ここのところヒマさえあれば毎日登っている。人に会うことは滅多にないのだが、一昨日偶然にも初老の男性に出会った。なにやら木の棒を金槌でコンコンと地面に打ち付けている。

 

「なにされてるんですか?」

興味があることはその場で片付けないと気がすまないのでいつもが如く尋ねてみた。

 

「紅葉をね、植えてるんやけど猪にほじくり返されてまうんで猪避けに杭をね」

「猪出るんですか?」

「最近は直には見てないけど、猪も狐もよく出るよ。猪に掛かったらちょっとした木くらい根っこからほじくり返されて倒されてまうでね。こんな杭では意味ないかも知れんけど、人が入っとるってことがわかれば避けることもあるから」

「へぇ~」

 

狐は確かによく見る。おじさん曰く、最近、子どもを3匹産みこの山に穴を開け巣にしているのだそうな。

「狐は出入り口を2つ作るでね。こっちから襲われたらあっちへ逃げるってホント、賢いで中々捕まらんよ」

ですって。

 

そして昨日。小雨の降る中、またしても前日のおじさんに出会う。

「あぁ、どうも!連日ですね~。今日はまた何をしてらっしゃるんですか?」

大小の木片を集めて何かパキパキとやっている。

「昨日のね、杭を作っとんの」

「あぁ、紅葉の。見ました見ました。沢山、植えてらっしゃるんですね」

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「うん、今までで500株植えたかな。でも、殆ど猪にやられたけどね」

「500株!てか、猪ってマジでいるんですね(怖)」

「登山道が紅葉でいっぱいになったら秋に登山をする楽しみも増えるかな、なんて思ってね」

「それ、いいですね~。どれくらい掛かりますか?5年?10年?」

「いや、10年ではまだ人間の身長もあればいい方やね。20年、30年かな。ま、その頃には僕はもう生きとらんと思うけど」

「そんな切ないこと言わないで下さいよ」

 

もうすぐこの山にも高速道路のトンネルが掘られ外観が大きく変わってしまう。おじさんの心境や如何許りかと思いやる。他にも無償で山をお守りしている方が沢山いるらしい。いずれ自分も受け継ぐことになるだろう。

 

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滑って転けた。雨はこれだから恐い。

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通りがかったのでついでに墓参り。

 

おまけ

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