氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

記憶喪失2連チャン

休業前日、店の在庫一掃セールを時短営業を強いられながらもやっていると、ビール会社の担当者が陣中見舞いと称した淋し見舞いにやってきた。ついでにということでお客としても飲み食いしていってくれるという。非常にありがたい。どうせ会社経費で賄われるだろうから、半ば合法的にぼったくることが出来るというわけだ。ついでに自分もしこたまビールを頂いてしまった。

 

ところがだ、普段は夜だけの営業なのだが、少しでも多くのお客様にご来店頂けたらとこの日は昼間から営業しており、それを聞きつけ多くの常連客が顔を見せに来てくれただけでなく、もう明日から休みだろうから「飲め飲め」とビールの大盤振る舞い。よって、ビール会社の担当者が来てくれた時にはもうすっかりベムベラベロベロだったというわけだ。ったく、仕事をしに来ているのか飲みに来ているのかの線引きが全く出来ていねぇぜ。

 

で、間もなく岐阜もマンボウで外でアルコールが飲めなくなるからということで、その前に一緒に飲みましょう、といういうことになった。らしい。

 

翌日、担当者から電話が入る。

「本日、予定通りでよろしかったでしょうか?」

「え?あ、あーあー、うん、予定通りでいいよ」

「では5時に『ぶ◯ぶ◯』さんに直接集合ということで」

「うん、それでよろしく」

そういえば何となく思い出してきたぞ。スタッフも含め3人で飲みに行こうという話しをしていた様な気がする。

 

忘れぬうちにと予約の連絡を入れる。もちろん、ビール会社の担当も一緒だということも。そうしておけばその会社の銘柄ビールをたくさん冷やしておいてくれるだろう。案の定そうしておいてくれた。

 

「よし、今日は飲み尽くすぞ」

ベースはお好み焼きなのに、オンメニューされている肴は中々の曲者だ。ブルスケッタにインド風カレーなど到底、お好み焼き屋とは思えぬラインナップに加えて、マスカットを豚バラ肉で巻いた串ものなども含め実に多様多彩だ。

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話しも弾み、そろそろアルコールタイムリミットの7時が迫りつつ有るタイミングで、

「残りの瓶ビール全部出して!」

と有言実行。全ての瓶ビールを飲み干してから店を出る。一体全体、何本飲んだのだろう?

 

バス停で帰りのバスを待っていたところまでは覚えている。その後はバスに乗った記憶もなければ道中の記憶もない。

 

「お客さん、終点ですよ」

ん?え?オレ?

「終点ですよ。起きて下さい」

「あ、はい!ごめんなさい」

まぁ、いつものことだ。お目当てのバス停で降りられたことの方が稀有だと言える。

 

本来ならば480円のバス代も530円に嵩上げされる。

然しながらも最寄りの終点で良かった。自宅からは1.5km。お目当てのバス停までは900mなのでそれほどの誤差はない。ついでに雨空も小康状態だ。恐らく人が見れば大袈裟に千鳥足だったことだろう。気がつけば布団の上にいたのでどうやら無事に帰り着くことが出来ていた様だ。

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