氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

罠にはまる

売りゃあいいってもんじゃねぇんだよ、売りゃあ。ズレるのはヅラだけで十分なんだ。そもそもコンセプトがズレてんだよ。と半ばキレ気味に憤ってはみたものの、これは単なる演出です。実のところ何とも思っていない。

 

魚屋なのによほど売るものに困ったのだろう。仲買の店頭に「バームクーヘン」が置かれているのを見つけた。「お徳用」とある。

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「ったく、節操がないな。売りゃいいってもんじゃないんだから」

担当者に嫌味がましくそうぶつけると、

「これがけっこう買っていく人がいるんですよ」

という返事。売る方も売る方だが買う方も買う方だ。甘やかしは良くない。

 

「因みにこれ幾らなの?」

試しに訊いてみる。すると無言で指を3本突き立て2回振った。

 

「330円か…」

 

バームクーヘンは意外に高い。ちょろっとした大きさで1,000円超えなど普通にある。有名な「クラブハリエ」などいい例だ。ま、あそこのはそれなりに美味しいけどね。袋の中にはその「クラブハリエ」の小さなサイズと同程度の大きさのものが4つ入っていた。それで330円は安くね?

 

「これ何グラムある?」

袋をひとつ取りマグロの担当者にわたす。彼の目の前にあるデジタルはかりで測ってもらうと610gあった。

「じゃ、こっちは?」

違う袋を取りもう一度、測ってもらうと

「610gっすね」

と同じ目方を計測した。

 

「マジで?じゃ、こっちは?」

「610gっす」

全てがきっちり610gで統一されていた。

 

「すげっ!でもこれで330円は安いね。ひとつ貰っとこうかな」

「ほらね、置いときゃ売れるんですよ」

まんまと罠にハマり魚屋でバームクーヘンを買わされてしまった。まぁいい。娘たちもきっと喜ぶだろう。先駆けて頂戴してみた。

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ひとつが手のひらサイズもあり食い出がありそうだ。味もまぁ、悪くはない。

 

ところで皆さんはバームクーヘンをどの様にして食べますか?自分は年輪をひとつひとつ丁寧にはがして食べることにしています。

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