氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

夏の新アイテムは金隠しが肝

そうか。そういう手があった、と娘を学校へ送るついでに走りに行くことを試みた。いつもは一旦帰宅してから身支度を整え走りに出るのだが、この帰宅に費やす時間がどうにも勿体なく感じられていたのだ。

 

問題はランニング姿にワラーチ姿の自分を娘がどう捉えるかだ。が、普段から見慣れた格好だからか何を言われることもなく当たり前にスタスタと出ていった。というわけで追いかけるように後を追う。

 

学校に最寄りの交差点で別れを告げる。

「じゃ、がんばってね。いってらっしゃい」

「うん、がんばってくる」

もはやルーティン化した言葉を交わし後ろ姿を見送った。さて、それでは走り始めますか。

 

今回は秘密兵器がある。以前、紫外線予防、ひいては髪の健康を保つ、更にひいては抜け毛予防の為に被り物をして走った方がよい、そしてその被り物も防止よりタオルの方がいいよ、と天の声に従って百均でタオルを購入してきたという話は他の人はどうでも自分にとっては記憶に新しいところだ。

 

そうしたところ、此度はその天の声が

「ワークマンでいいのを見つけたよ」

とわざわざそれを購入してプレゼントしてくれた。

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まさに頭に巻く為に生まれてきたタオルだということだ。さっそく開封してみる。

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ふんどしとしての利用価値もありそうだ。

 

そしていよいよ、そのタオルデビューの時が来た。岐阜市の午前9時の気温は既に29.6℃と30℃に迫る勢いで、太陽を遮る雲も一切見当たらない、いわゆる炎天下だった。にも関わらずたった1枚の布切れを頭に巻いただけなのに想像以上の快適さを得ることが出来た。けして気の所為ではなく、思うに首の後ろに垂れ下がる、ふんどしで例えるならば金隠しの部分の働きが大きかったのではないかと推測する。直射日光から首の後ろ側を保護するだけでこれほど身体的異負担が軽減されることを初めて知った思いだ。

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農作業姿のお母さんによく見られる光景とただ看過していたが、実に理にかなっている事だったんだね。ただ、それでも夏の暑さには例えベストコンディションで挑もうとも体力の維持は難しい。もはやランニングとは言い憚れる。これからは細く長くジョギングと言い換えて続けていきたいと思う。

 

そしてランニング後はこの時とばかりに楽しみとして取ってあったバローで買った「カフェフロート」を堪能する。

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育ってきた時代背景を振り返ると「カフェフロート」よりも「コーヒーフロート」の方がしっくりと来る思いだがそれは一先ず置いといて、取り敢えず匙を入れてみる。するとよくあるカチカチなかき氷の真ん中にアイスがインしているだけのおざなりな「コーヒーフロート」とは違い、氷部分にも抵抗なくすーっと匙が入っていった。おぉ~っ、これは中々先進的で画期的なフロートではないか。ひょとしたらこれこそが「カフェ」と「コーヒー」の違いなのかも知れないとかつての「コーヒーフロート」に思いを馳せるのであった。

 

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そして正統派は木の匙に拘る。

おまけ

 

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