氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

やっぱハゲはあかんのやって

無精に伸ばしていた髪を切ってきた。梅雨時は髪の癖がコントロール出来なくなる。少しでも理想の髪型に近づける為の苦肉の策だ。

 

「どの様にしましょう」

担当者は根暗なルックスが鳥居みゆきに似た女性だった。いつもは男性店長にお願いしていたのだが、他店に出向中だとのこと。ヘアカットは切りたいと思った時が切り頃だと誰かが言っていた。オレだよ、オレオレ。というわけで来る者拒まず相手を選ばず彼女に身を委ねることにした。

 

「前髪の周辺を濃いめにお願いします」

登山にランとアウトドアスポーツは健康に良さそうな反面、肌は紫外線の影響を多大に受ける。頭皮もまた然るにだ。このシーズンはやけに抜け毛が気になるのだ。冬になりまた生え揃うまで出来るだけ温存しておかねばならない。

 

「もう、面倒だから剃っちゃってカツラにでもしちゃったらどうですか?」

あーたね、そうなったらもう、ここへ来る必要がなくなるじゃんね?自分で自分の仕事を失くしてどーすんの。

 

「潔く『ヅラです』ってカミングアウトしちゃったら今後の人生、楽に過ごせると思いますよ」

「そうかなぁ?」

「そうですよ。ハゲを嫌がるなんて日本人だけですよ。アメリカ行きゃハゲは金持ちの象徴なんですから。金持ちに嫁ぎたきゃハゲを探せってくらいのもんですから」

 

ホントかよ。

 

「まぁ、確かに男が気にするほど女性は男性がハゲていようがそれほど気にならないって言うしね」

「それは自分の性格を美化する女性の建前ですよ。あくまでも日本での話ですけどね」

「それ自分自身がハゲは嫌だとそう思っているってことだよね?」

「はい。でもお客さんにはそんな事言えませんもん。だからハゲてても素敵ですよって」

「ねぇねぇ、オレもお客さんなんだけど」

「大丈夫ですよ。お客さんはハゲてませんから」

「じゃ、ハゲたら言われるんかーい!」

「その時はカツラをおすすめします」

 

で、結局、髪があるのがいいのか無い方がいいのかわからなくなってしまった。ただ、有るものをわざわざ失くす必要もないので引き続き温存療法に努める所存にございます。

 

しかし要らんって言う人もいるし、幾つになろうがしがみつく人もいるし「毛」というのはややこしき不思議な存在だよね。

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因みに「ちょんまげ」というのは平安時代の貴族が冠の下が蒸れるから剃ったことが始まりだとか。現代人にもそれくらいの潔さがあらば何も悩むことなど無くなるんだろうけど。ところで「薬用ニューモ」のどれほどの効果が見られるのか実践者に問うてみたい。

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