氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

コ◯ダも良いが「カフェレスト杉」はもっと良い

高校の時の趣味は大にしてバンドでの音楽活動、小にして喫茶店巡りだった。じゃ、中は?チューとカタカナに置き換えればご理解いただけるだろうか。

 

日曜日の朝は必ず同じバンドの同級生と自転車でいける範囲の喫茶店を巡っていた。今にして思えばモーニング目当てで喫茶店巡りなどジジ臭い趣味だったなとは思う。いや、実際の目的は今や集めることも叶わないマッチを収集することだ。太いのやら細いのやら三角までと多種多様なマッチを記憶に無いほどの数、集めていた。あれだけあったマッチだったが、彼らはどこに行ってしまったのだろうか?いっときの気の迷いから生じた収集癖など結局そんなもんだ。

 

話は変わるが、雨降りでは外でのランニング意欲もさすがに失せる、ということで場所を変えいつもの「スポーツクラブ アクトス」へ車で向かった。例の従量課金型トレーニングシステムアプリ「Nupp1」を使って短時間トレーニングに励もうと思ったわけだ。

 

休みだった。

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まさか定休日があるだなんて想像もしていなかったよ。新進気鋭のスポーツクラブがことごとく24時間営業に変わりつつあるこの現代において、スポーツクラブが休んでもいいのかよ、とは思ったが恐らく良いのだろう。言い出したら自らの休みさえ返上せねばならなくなる。今のところずーっと休みだけど。

 

仕方ない。自宅には仕事が休みの嫁がいる。

 

「ちょっと出かけてくる」

と言った手前、最低でも1時間は姿を消すのが家庭内の礼儀というものだ。「もう、帰ってきたの?」と思われたくないし、絶対に言われたくない。思ったことを直ぐ口にする人にとって後者は避けられぬだろう。よって寄り道をすることにした。

 

ジムから真南に向かった先に喫茶店がある。高速道路の建築に伴い道路インフラの整備が界隈で行われているが、そのど真ん中で古くから営んでいる。店名は「カフェレスト杉」と和洋折衷だ。

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季節が季節なら鼻水と目の痒みが止まらないだろう店名だ。

 

ドアを開ける。店員らしき人が誰もいない。テレビの前の椅子でお客さんがひとり居眠りをしている。

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すると六十路絡みの派手な化粧をした女性が表ドアから入ってきた。

 

「あ、すみません。やってますか?一人ですが」

如何にもママさん然としていたので、その女性に尋ねると、

「あぁ~、はいはい。ちょっと待ってね。ママ、ママ、起きて。お客さんだよ」

「えっ?!」

 

あろうことか椅子にお座りになり爆睡していた老女がママさんだった。

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実に和む話じゃないの哀川(笑)

 

コーヒーを注文すると、どうせ作り置きを鍋で温めて出すのだろうと舐めていたら、研究者が理科の実験をするが如くサイフォンで点てたコーヒーだった。

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ドリップも良いがサイフォンでのまろやかさな味わいも中々よい。

 

「お兄ちゃん、玉子食べるか?」

板東英二ほどではないが自分もゆで卵は好きだ。ありがたく頂戴する。

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約1時間ほどゆっくりさせてもらっただろうか。同じ界隈にもコ◯ダやショ◯ンや支留◯亜などのチェーン店が乱立しているが、自分にとっては圧倒的に落ち着ける喫茶店というのはこういった場所だ。コーヒーも350円と田舎相場だ。「また来ます」と挨拶を交わし店を後にした。

 

マッチが置いてあるかと試しに訊いてみればよかった。

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