氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

物覚えが良いことの弊害

床屋へ行ってきた。気がつけば前回、髪を切ったのが3月11日だったので、早くも1ヶ月近くが経とうとしていた。自分は髪を切るペースを凡そ20日に1回としている。だいたい後ろ髪を引っ張って耳に付くくらいのタイミングとなる。が、なんということか!わずかばかりだが日数をオーバーしてしまったじゃないか。一生の不覚。物事は何でも大げさに捉えた方が話の内容がスペクタクルに富んだものとなる、かも知れない。

 

いつもの様に髪を切りながら店長と与太話を繰り広げる。普段、無口な店長だが、自分が間を開けずに話しかけるものだから口を開かないわけにもいかない。長年に渡るカウンター商売により鍛え上げられた妙というものだ。と、自身は確信に近いものを得てはいるのだが、本当はものすごぉ~く迷惑がっているのかも知れない。が、そんなことはどうでもいい。

 

洗髪と顔剃りは男前な顔をした腹回りが気持ちよさそうな女性が担当してくれた。洗髪後に鏡に写った自分の顔を見て、

「おっ!なんかワイルドな感じでいいね」

とただタオルドライでボッサボサになっただけの髪型だったが、冗談とはいえわずかばかり同意を求めたく自慢気に言葉にすると、何故か顔立ちに似合うニヒル笑いでスルーされた。これを一笑に付すという。

 

しかしながら

「そうしたければオススメはワックスですよ」

と教えてくれた。「そうしたければ」の前に「どうしても」という言葉が態度にチラついたが…。

 

顔剃りのついでに、

「長い眉毛があったら切っておいてもらえますか?」

とお願いした。老齢者に多い現象として何故か眉に長いものが混ざることがある。女性にも見られる現象らしいのだが、原因はよくわからない。生物学的にはわかっているのかも知れないが自分にはわからない。

 

「抜け落ちるのを忘れるらしいですよ」

チコちゃんがそう言っていたらしい。

「へぇ~、じゃなに?髪の毛が抜けるのは物覚えがいいからなんだ?物覚え良すぎるのも困ったもんだよね(笑)」

 

帰宅したら仕事が休みの嫁がなぜかプリプリしている。

「冷蔵庫のお菓子食べたでしょ!」

「あ、あぁ…」

「食べようと思って取ってあったんやで。欲しかったら自分で買えばいいやないの」

「いや、別に欲しかったというわけでもなく、そこにあったから」

「なんでもいいけど勝手に食べんといて!」

 

だって、食べずにずーっとそこに置いてあったんだもん。要らないのかと思うじゃんね、普通。やはり物覚えが良すぎる事は困ったもんだ。

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