氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

朝はパン、パンパパン@パン屋でモーニングサービス

午前8時にiPhoneのアラームが鳴る。画面を確認すると「山内ホスピタル」とあった。

 

「あー、めんどくせー」

定期検診の予定が組み込まれていることをすっかりと忘れていた。午前9時に予約を入れてある。仕入れを済ませちょうど配送が終わったところだ。川北の自宅に引き返し、再び川南に戻るのも時間とガソリンの浪費だ。とはいえ1時間もあるタイムラグをどの様に過ごせばいいのか?それが問題だ。

 

病院のほど近くに、以前から行ってみたいと思っていたパン屋がある。名前は知らない。パン屋だということだけを認識している。天気もよい。朝食代わりにそこでパンでも買ってやり過ごすか。なにはともあれ行ってみた。

 

小綺麗でお洒落なエントランスだ。

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ん?ベーカリー&カフェと書いてあるぞ。取り敢えず入ってみよう。

 

「いらっしゃいませ。店内でお召し上がりですか?」

ここはマクドナ◯ドのチェーン店か?

 

「え”っ?中でいけちゃうんですか?」

「はい、大丈夫ですよ」

「あ、じゃ中でお願いします」

やはり男子たるもの中でしょ。いや、むしろ中に限る。

 

先にコーヒー代400円(税別)を支払うシステムだ。PayPayで支払いを済ませると、

「空いてる席にお座りになりお待ち下さい」

ときた。テーブル4卓のうち3卓には既に先客がいる。つまり空いてる1卓に座りおとなしくしていると、お待たせしました、とコーヒーにパンの盛り合わせとサラダを運んできてくれた。

 

チョコレートが内包されたクロワッサンと玉子が乗った玉子パンにトーストが1枚添えてある。

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各々の正式な名称は知らない。トーストはもちろん焼き立てだが、どうやら他の2つも焼き立てっぽい。それが証拠にクロワッサンのチョコレートがとろりと溶け出し白魚の様な指がチョコレート色に染まるハプニングが生じた。

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で、どうしたかって?舐めるしかないじゃん。シャレオツなカフェでおっさんが指に付いたチョコレートをペロペロと舐めるシーンはさぞかしおぞましいものがあったかと思う。

 

安心して下さい。玉子パンは無難に片付けました。

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そして誰もいなくなった

 

「ここは出来てどれくらいになるんですか?」

初めてのパン屋では必ずする質問だ。

「3年になります」

「え、もう3年も?来たい来たいと思っていてもう3年も経っちゃったんだ」

 

光陰矢の如し。思い立ったら吉日でこれからは即、行動に移すことが肝心だよね。だってあと何年生きられるかなんて本人にもわかんないんだから。

 

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然しながらついぞ店名がわからなかった。

 

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