親子の形も様々な「親子丼」@長浜「鳥喜多」
毎回のことだが呆れて物が言えない。物って何か言えるのか?恐らくそういう意味ではないと思うが、まぁそういう事にしておこう。
長浜へ行ったにはもうひとつの目的があった。大衆食堂ハンターとしては一度は行ってみたいと思っていた店があった。創業明治30年、つまり今年で創業してから124年目となる「中島屋食堂」だ。船着き場で案内をしてくれていたおじさんに、この店を知っているかと尋ねたら、事細かに経路を説明してくれた。言われた通りに進むとすぐさまお目にかかることになる。あなたに「The案内人」の称号を与えよう。
ただ、休みだった。
せっかく長浜まで来てんのに休んでんじゃねぇよ。中に電気が灯っていたので、ひょとしたらと戸をガタガタさせてみたが、やはり固く閉ざされていた。せっかくあなたを目当てにここまで来たのに坂本(泣)
そして僕は途方に暮れた。
仕方ない。こんな事もあろうかと、第三候補までは決めておいた。次なるは第二候補の店となる「鳥喜多」だ。ここも古い。昭和6年の創業ということなので、かれこれ90年になる。うちのお袋が確か昭和7年生まれだったから、もし生きていたらもうそんな歳になるのか。とまぁ、自分のことはどうでもよく、この店、聞けば長浜で一番行列が出来る店だとのこと。
さて、行ってみましょう。という程の距離でもなく、「中島屋食堂」から目と鼻の先にその店はあった。
時間は午後12時45分。幸いにして行列は出来ていない。ガラリと戸を開けると、恰幅の良い女性店員が「何名様ですか?」圧倒されそうな大声でお出迎えをしてくれた。
店は狭い。ただでさえキャパシティがない上にコロナ対策で席を間引いているから尚更収容人数が少なくなる。家族連れが一組、あとは全て自分も含めお一人様だ。一卓挟んで隣の席の男性が「親子丼」を注文する。すかさず自分も「同じものを」とお願いした。
そう、お目当てはこの店の「親子丼」だ。
写真を見れば一目瞭然だが、他店の親子丼とは一線を画している。昨日、岐阜の県知事選挙が告示されたが、自民党は候補者を一本化出来ず55年ぶりの保守分裂となった。ここの親子丼は白身と黄身が分裂しているのだ。それも55年どころではない。90年にも渡ってだ(あくまでも想像だが)。
先ずは、白身だけで味見して~、
で黄身を半分だけ崩して生々しさを味わって~、
その後は一気に混ぜ混ぜし鶏肉入りのTKGを完成させる。
TKGがわからない?ググれ。
ま、その気になれば家庭でも出来ないことはない料理だが、これを売り物として行列まで作らせるというのはオリジナルの強さなのだろう。長浜は中々おもしろいところだ。一度くらいではわかった気にもなれない。またヒマが出来たら訪ねてみたいと思う。
因みに第三候補の店も覗いてみたが、どうやら芸能人も多く訪れている店らしい。安倍ちゃんが素麺をすすっている写真が店頭に飾られていた。