神の住む島「竹生島」@滋賀県長浜市・琵琶湖
♫はぁ~るばる来たぜ竹生島~♫
風の向くまま気の向くまま、今日は東へ明日は西へ。てなわけで、予てより死ぬ前に一度は行ってみたいと思っていた竹生島へと行って来てやった。なに?竹生島が読めない?大丈夫。読める人は滅多に居ない。
「島」と付くからには「島」である。とはいっても海水にさらされたねばねばした島ではなく、日本最大の古代湖「琵琶湖」に浮かぶ島のことだ。一応言っておくが、物理的に浮かんでいるわけではない。ちゃんと地に根を張っている。
滋賀県は長浜市の長浜港より船に乗り約30分、奇跡的に船酔いせずなんとか島に到着することが出来た。ここだけの話、自分は乗り物に弱い。自分で車を運転していても酔うくらいだ。
もともと長浜は、豊臣秀吉が長浜城を築城し初めて城主となったということもあり、縁の神社や寺が多く残されているのだが、この竹生島はその最たるものといえよう。
何せ現存する大阪城の遺構と呼ばれる国宝「唐門」や、朝鮮出兵の際に使われた舟を使って作られた重文「舟廊下」が観られるどころか実際にくぐったり渡ったりすることが出来る。ただ、残念なことに触っちゃダメと書いてあったので仕方なし、視姦に終止することとした。
そして「舟廊下」の先にあるものは3番めのメインディッシュ国宝「都久夫須麻(つくぶすま)神社」通称「竹生島神社」だ。
これが、もうね、泣きたくなるくらいにいいの。ホントもう、この神社の柱のひとつに収まりたいくらい。ここもまたかつて存在した伏見城の一部を移築したもので、これまた秀吉時代の遺構を今に残したものということになる。
とまぁ、うんちくを語れば無駄に文章が長くなるだけで締まりがないのでこの辺りにしておこう。
乗船まで多少、時間があったので、船着き場近くの土産物屋で地元名物と呼ばれるおでんを頂戴した。信長が派手に赤く染めさせたと言われる「赤コンニャク」と、もとは丸かった麩を持ち運びに便利な様に秀吉が四角にさせた「丁字麩」だ。柚子味噌で食べさせるのがこちらの流儀らしい。
「ご主人は島にお住まいなんですか?」
「いえ、長浜から自分の船で渡ってくるんです。お坊さん達も皆そうですよ」
「じゃあ、夜は誰もいなくなるんですか?」
「そうですね。電気が通ってないもんですから」
上の蛍光灯を見つめながら、
「じゃ、この電気は…」
「発電機です。燃料も運び込まないといけないので不便なんですよ」
「それは大変ですね」
ということらしい。
そっか。夜は誰もいないのか…。いや、悪いことは何も考えてないからね。ただ、国宝が二つもあるのに大丈夫なのかな、なんて少し思っただけだから。