氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

初雪エトセトラ

「やけに静かだな…」

起き抜けに外を見る。やはりか。庭一面が雪に覆われていた。

 

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あ、すみません。見栄はりました。県庁所在地岐阜市在住とはいえ、名ばかりの長良川北方民族住居地なので、年中無休24時間、聞こえてくるのは虫や鳥の鳴き声に、隣を流れるドブ川のせせらぎくらい静かなの。たかが雪くらいでは聴覚的になんら変わるところはない。

 

6時になるのを待ち、坊主を叩き起こす。

「おい、もう起きた方がいいぞ」

「あ”?ま”~~~」

「早く出ないと通勤に倍、時間が掛かるぞ」

「え”~、どんなん?」

と渋々起きてきて外を見る。

「やば!」

やっと正気に戻った様だ。慌てて車の雪下ろしをし、朝食もそこそこにブワンッとエグゾーストノートをあげて飛び出して行った。一応、心配を装い40km以上は出すなと忠告しておいた。

 

水曜日は市場が休場日になることが多いので、朝は長女を学校まで車で送っていくことにしている。まだ小学生だった頃は、通学班に混じり手をつなぎ同伴通学をしていた。今は車で送迎だなんてその頃を思うと随分と画期的になったもんだね。

 

「雪降ってるし、あづも一緒に送っていってやろか?」

と次女にも同伴を促す。

「いいゎ。待ち合わせしとるし」

近所に小学校の同級生でクラスメイトがいる。彼女といつも一緒に通っているそうだ。

 

「じゃ、Aちゃんも乗せてこか?」

「いい。早く付きすぎるし」

 

ここで娘たちの母親が口を挟む。

「早く行って予習しとればいいやん」

正直、テスト前でもなければそんな奴、見たことがない。自分にしてもその様な経験など絶対になかっただろう。血は水よりも濃いということを忘れてはならない。

 

「違う。早く着いても校門は開いてても校舎が開いてないんやて」

「えっ?そうなの?」

「そう、8時にならな開けてくれんのやて」

「知らんかった」

 

長女を送っていく時刻は大体7時40分頃だ。

「え、じゃあ、あん子はその間どうしとんの?」

「待っとる」

そりゃ、開くのを待つしかないわなぁ。

 

そうこうしている内に次女は先に出ていった。

「じゃ、もっとゆっくり行けばいいね」

と椅子にどっかりと腰を下ろしたところで「はた」と気づく。

「いかん、いかん、あんたに合わせたらオレが遅くなる」

市場はなくとも仕事はある。結局、いつもと同じ時刻に送ることになった。まぁ、それも仕方がないよね。

 

で、今朝の様子。午前3時20分。路面はパンパカパンツ。意図せずともドリフトが堪能出来た。

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