掛かりつけスーパーの西友に、仕事帰りにふらっとフラフラしながら立ち寄った。要件はほぼ買い占めしたものの、とうとう底をついた「◎みなさまのお墨付き 贅沢果汁12% レモンチューハイ」を再び買い占めに行くことだ。
最近はこのレモンチューハイに執着している。クオリティが高いのに、価格が95円というのもそれを選ぶ理由だ。店に入ると一目散に収納されている冷蔵庫へと向かった。
ん?なんだか陳列棚の雰囲気がいつもと違うぞ。
いつもならばそこに有るべき筈のレモンチューハイの姿が見られない。冷蔵庫の中を隅から隅までくまなく探してみたものの、後の睡眠時間が無駄に費やされ虚しさが募るばかりだ。でも、なんだかここで諦めるのって癪じゃない?
値引きゾンビに囲まれながら、商品にダンピングのシールを貼っている中年の女性スタッフをつかまえ、冷蔵庫前まで引きずり出し、ことの真相を問うた。
「ここにあった果汁12%のレモンチューハイって、在庫ないんですか?」
「ちょ~っと、ま~ってて下さいねぇ~」
ねちっこく返事をすると、手元の機械をピッピと操作し何かを確認している。
「あぁ~っと、ごぉ~めんなさいねぇ~。在庫なぁ~いでぇすねぇ~」
「あぁ、そうなんですか。それは残念。次回はいつ入荷しますか?」
「そぉ~れがですねぇぇ~、こぉ~ちらの商品は品が切ぃ~れたからといって発注するものじゃ、なぁ~いんでぇすよぉ~。本部が割り振って送ってくぅ~るもんなんでぇ~すよねぇ~」
もう、いちいち口語調にするのは面倒なので普通にします。
「先日ですね、坂上忍と指原莉乃がテレビで『みなさまのお墨付き』を紹介した途端に売り切れ商品が続出しまして」
「マジすか?ったく余計なことをしやがって」
というわけで、入荷の見込みどころか、二度と入荷しないかも知れないと聞かされた。西友は西友でも全国に散らばっているわけだし、その中でも力の有る無しは店舗によって存在するだろう。権力者の力加減で商品の配分もきっと違ってくることだろうと想像する。
またもや缶チューハイ難民となってしまった。