氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

路地裏の一銭洋食@お好み焼き『蓮』

「なぜ、よりによってこの場所を選ぶ?」

 

凡そ店舗を構えるに立地条件というのは重要な課題となる。当然、裏道よりは目につく表通りの方が商売をする上では有利であるばかりでなく、自動車で立ち寄れる利便性も兼ね備えていることだろう。田舎ならば特にそうだ。ところが何かへの反骨精神なのだろうか、この店は入り組んだ住宅街の中にある。いわば路地裏と呼ばれる場所だ。

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時刻は午前11時30分。たまの事かお客が自分しかいなかったので、中の女性に話しかけてみた。

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また、そうやって直ぐ誰にでもちょっかいを出す。本当にこの男には自尊心とか羞恥心というものがないのかねぇ?とお思いになったそこのあなた。確かにこの私め、ライトなヒップの所有者ではございますが、今回はちゃんと自重してござる。だって女性とはいえお婆ちゃんだもん。お隣にはお孫さんであろう、若く可愛い女性がお婆ちゃんを魔の手から守れとばかりに、しっかりとガードを固めている。ん?立場的に反対か?まぁいい。

 

「この店始めて何年になられるんですか?」

「13年ばかりになるね」

「え、もうそんなになるんですか?」

「でも、もうすぐ潰れるから(笑)」

「ははは(苦笑)」

 

壁を見ると「お好み焼き 火、金 200円」と書いてある。

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「安いですよね」

「10年前まではね、100円でやっとったんだけど、さすがにそれも難しくなってちょっとずつ値上げさせてもらったの。でもこれで限界かな?」

「いや、100円はさすがに厳しいでしょ。小遣い稼ぎ程度にしかならないし」

「なに言っとんの。今でも小遣い程度やて」

と右手で空気を叩く吉本新喜劇ばりのジェスチャーで答えてくれた。

 

「宣伝してきます。休みはいつなんですか?」

「あ、ショップカード持ってって」

「ショップカードがあるんですか?!」

その日、一番の驚きだった。お孫さんにショップカードを頂いたところで、

「で、結局、なににするの?」

「あ、すっかりと忘れてました」

 

というわけで、『ねぎ焼き』とたい焼きの『栗くりあん』を購入。〆て450円だった。

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「へぇ~『蓮』って言うんだ」

ショップカードを見てその日、初めて店名を知ることとなる。

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ただし、フリガナが打ってないので『れん』なのか『はす』なのかはわからない。店先の看板に『れん』とフリガナが打たれていたことを後に写真を見て知る。

 

天気も良かったでの愛車のカブリエーラと近くの公園でお外ご飯を楽しむことにした。

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ネギがゴロゴロと入った大胆なねぎ焼きだったが実に美味かった。今後も長らく続けていって欲しいものだ。

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