「男梅」に5,000円の付加価値を付ける愛と涙の父娘ストーリー
11月1日の日曜日。さて、今日は何の日でしょう?
「えぇっとぉ~、11月1日で1が三つ並ぶから…。わかった!111=ピンピンピンで元気な男の子の日!」
「あ、そっか~。なるほどね、って違うっ!全然違うっ!」
はい、朝っぱらからどーもすみません。あ、朝だから元気なのか?だからもういい加減にしなさいって。
仕切りなおします。
今日は我が家の次女、あづ紀の誕生日だ。生意気にも13歳になる。ってゆーか、まだ13歳だ。ハタチまであと7年も面倒をみなくてはいけない。お父さん、もう疲れたよ。
で、先日のことだが、何故わざわざ混雑するショッピングモールの駐車場に並んでまで買い物へ行ったかといえば、それはペヤングを買いにいったわけではなく、彼女の誕生日のプレゼントを買いに行ったのだった。えっ?食料品売り場にプレゼントを買いに?そう誰もが疑問に思うよね?それでは順を追って説明しよう。
長女の誕生日の折りにチラと触れたことがある。長女に自分から何か欲しいものが無いかと聞いても答えが得られなかったので、代わりといっては何だが次女に探ってきてくれとお願いした時のことだ。ところが結局、得てきた答えは
「マジ、なんも要らんってさ。代わりに私に1万円ちょうだい」
だった。
今までも、そしてこれからも、いちばん金の掛かるであろう奴だけに、即却下の態度を示すと、代替案としてお願いしてきたのが「男梅10個」だった。つまり「お客様感謝デー」でごった返すショッピングモールまで足を運んだというのには、そういった理由があってのことだ。そして、自分の過去の経験上、「男梅」の種類をいちばん豊富に持っているのが、そのショッピングモールの食料品売り場なのである。わざわざ「男梅」を買いに行く為だけにそんなところまで足を運ぶ父親が、世界広しといえど存在するだろうか、いやけして存在しない。なんとも涙ぐましい父と娘の愛情ストーリーではないか。
つい先日のこと、次女が坊主に話しかけていた。
「お兄ちゃんは誕生日に何かもらってたっけ?」
余程、自分の誕生日が待ち遠しい様だ。
「あ”?なんやったかな。お前は何を貰うんだ?」
「男梅」
「オレは中学の時は5,000円やったか?」
「へ~、お金か。でもお金だとプレゼントとは言わないよね。お父さんが私の為に『男梅』を買ってくる。そういった心がこもった物がプレゼントっていうんじゃない?その方が嬉しいでしょ」
「5,000円の方が嬉しい」
「やっぱ、そうですよねぇ~」
結局は「男梅」よりも現金の方が良かった様だ。ま、でもいいじゃんね。しばらくは「男梅」に不自由しない生活が送れるってもんだ。きっとまた、いつもの様に愛用のバッグに忍ばせて、会う人会う人に大阪のおばちゃんが如く「男梅」を配り歩くのだろうな~。