氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

風速が1m増す毎に-1度。さてなぁ~んだ?

バイク用に防寒グローブを買った。昨日の天気予報の中で、気象予報士が「名古屋の最低気温は10℃、岐阜は9℃が予想されます」などと脅しとも取れる事を言い放ちやがったからだ。聞かなきゃ無視しておくところだったが、聞いてしまったとありゃ仕方あるめぇ。

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今まではトレラン用の手袋でなんとか凌いでいた。それもかなり我慢してのことだ。よくこの時季になると、風速と体感温度の話が天気予報の中で語られる。それによると「風速が1m増す毎に-1度」ということになるらしい。風は吹かずとも自分が動けば空気は風となる。要するに時速を秒速に直したものが風速と同等となるのだ。ふふふ、一応、高校は理系出身。


ぶっちゃけ時速50k/mで走ると風速は約14m/s。ってことは、体感温度は気温の-14℃となるわけだ。いいかい?ちゃんとついて来いよ。じゃ、気温が9℃ってことは、おい杉山。体感温度は何度になる?

「はい、てんてー。-5℃でつ」

そうだ、えらいぞ。よくわかったな。はい、飴ちゃんあげる。

「わーい」


つまり、-5℃を体感しながら出勤せねばならなくなるということになる。さっそくバイクのことなら何でもござれの「バイクワールド」へ手袋を物色しに行ってきた。シーズンとあってか沢山の防寒用手袋が売りにだされていた。その中でもワゴンの中に山積みされた「お値打ち品」が目についた。ゆーてもそこまでバイカー、バイカーしてはいない。それに所詮スーパーカブだしそこまでの高級品は自分にとって必要がない。


ふと手にとった手袋の値札を見たら上代5,400円が1,740となっていた。時間もあまりない。これでいいやとレジへと向かう。

「ありがとうございます。4,500円です」

「えっ?1,740円では?」

「は?」

「あ、いや。値札にそうありませんでした?」

「あぁ、これですが。ごめんなさい。これ商品番号ですね」

よく見ると1,740円ではなく「#1740」となっていた。

「此方こそごめんなさい。やめておきます」

商品を元のところに戻しそそくさと逃げるかの様に店をあとにした。恐らく価格的に期待すべきものはもう無いだろう。


「バイクワールド」のすぐ先に「ワークマン」があった。そうか!忘れていた!オレには「ワークマン」という強い味方がいたじゃないか!昨今の「ワークマン」はバイク界からの熱視線が注がれるほど、バイク用のアイテムも多々取り揃えられているとネットニュースで見たことがある。噂の真相を探るべく入店すると、案の定、アウトドア用の防寒手袋コーナーが新設されていた。価格もお手頃だ。1,900円でデザインもまぁまぁだ。それに何よりも自分には黒が似合う。


ここまでは昨日の話。肝心なのは日が明けて今朝の話になる。さて、出勤しようと手袋を探すもどこにも見つからない。手袋を入れたはずの手提げかばんの中に見当たらないのだ。もうこれ以上、探している時間はない、と仕方がないので無いよりはマシといつものトレラン用の手袋をはめ職場へ急ぐ。

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つ、冷たい。寒いを通り越して凍える!もう、死ぬ死ぬ死ぬーっ!てな思いをしながら命からがら到着すると、デスクの上で手袋がちょこんとお出迎えしてくれました。自分で自分の頭をかち割ってやりたい。


てなわけでまだお外は真っ暗な事務所にてキーボードをパチパチ…。かじかんだ指先が痛くて堪らない。

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