氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

一人打ち上げは虚しくもなく賑やかだった。

寂しさに負けた。いいえ、世間に負けた。

 

まるで「昭和枯れすすき」が聞こえてきそうな居酒屋だった。名を「ゆうな」という。シックな女将がひとりで切り盛りしている。

 

昼飲みイベントはお陰さまで大いに盛り上がった。よほど、多くの人々が個にも公にも昨今の鬱屈とした生活環境に耐えかねていたに違いない。午前10時の乾杯音頭から怒涛の人出で賑わった。朝っぱらから飲むぞー!なんてことを昨日は言っていた様な気がするが、正直、その状況で酔っ払っていようものなら無償で働いているボランティアの方々にも大顰蹙を買っていただろう。

 

酔っ払いを横目に粛々と溜まったゴミ袋の交換やらゴミ袋の交換や、はたまたゴミ袋の交換などを主にさせて頂いた。ゴミがそれだけ出るということは、つまりそれだけ物が売れた証拠でもある。出店者が潤うことも来年、再来年も開催しようと思うのならば念頭に置いておかねばならない。

 

有り難くも何ら問題らしい問題もなく、無事に終了することが出来た。ただ、その後が虚しい。帰宅してからの自宅飲みも、その気楽さから言えば有りかも知れない。ただ、昨日はどうしても自宅ではなく外で飲みたい気分だったんだ。

 

自宅から歩いていける範囲に居酒屋が3軒ある。その内、まだ一度も訪れたことがなかったのが昨日の「ゆうな」だった。

 

戸を開けると、明らかな老人と中年男性がカウンターに腰をかけ話に興じている。カウンター内では先の女将が「いらっしゃいませ」と上品に迎えてくれた。

 

中年男性との会話に飽きたのか、ご老人が自分に話し掛けてきた。こういうのはけして嫌いではない。ただ、ファーストオーダーまで少し待って欲しかった。喉の渇きを我慢しつつ、オーダーをするタイミングを見計らっていると、会話を遮る様に「ご注文は?」と助け舟が入った。

 

生は「アサヒ」。瓶ならば「キリン」が有ると聞き、キリンラガービールを注文した。一方的に話すご老人の会話に「ふんふん」と頷きながら、それも酒の肴と飲んでいたが、正直なところ疲れていたので実は黙っていて欲しかったんだな。しかし、齢80を超えても未だ現役と謳う翁の話は実に参考になったりもしたが、その事に関しては80過ぎてまで元気でいたいとは思わない

 

が、その歳になっても一人で居酒屋に行くバイタリティは持ち合わせていたいと思った。

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