氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

インディアン嘘つかない@「やよい軒」でもO型は嘘つか…ない。

アメリカの先住民族、いわゆるネイティブアメリカンと呼ばれるインディアンの血液型はO型しか存在しない。つまり「インディアンはO型である」「インディアン嘘つかない」「よってO型嘘つかない」という見事な三段論法が成り立つわけだ。

 

ここで注目すべきは自分もまたO型であるということだ。ということは、言わずもがな自分もインディアンに等しく嘘つかない。ということは「綺麗だ」と言われればその言葉に何ら疑う余地もなく、「愛してる」と発せられれば、その言葉の誠実さは安心感に満ち溢れたものとなるだろう。

 

そこで君に相談がある。実は自分のミスで会社に1,000万円の損害を与えてしまったんだが、一両日中にその額面通り用意することが出来なかったら僕は首になってしまうんだ。お願いだから少しの間だけ貸してくれないかな?絶対に返すから。「愛してるよ」

 

久しぶりに「やよい軒」に足を運ぶと入口がごった返していた。

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まだ、午前11時30分にも差し掛からないというのにだ。駐車場さえもかなり窮屈な状況になっている。「ま、取り敢えず降りてみるか」と車から出て入口へ向かい、そこではたと気がついた。

 

やよい軒 史上最大割引!あの人気定食が特別価格490円」と書かれたポスターが掲示されてある。

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そうか、これか!これを目当てにして皆、乞食の様に集まってきたわけだな。ったく、何て卑しい奴ばかりいやがるんだ。

 

当然、自分はそんなこととは露知らずやってきた…わけだ。う、ううう、嘘、嘘じゃないもん。ほ、本当に、本当に知らなかったんだもん。き、昨日がその最終日だったなんて、ぜ、全然知らなかったんだもん。O型だもん。O型は嘘つかないんだもん。

 

どうせならばあやかることにした。「チキン南蛮定食」と「味噌かつ煮定食」のどちらにしようか悩んだ挙句、760円が490円ならば、やはり780円が490円だろうと3秒で「味噌かつ煮定食」に決定。

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店内では「チキン南蛮定食」派と「味噌かつ煮定食」派が、まるで天下分け目の合戦を繰り広げるがごとく、女性スタッフが口角泡を飛ばしながらオーダーされた物を届ける声はその二つのみだ。オマケに券売機に群がる人の波で戸は開け放しとなっており、その所為で厨房からは新規来客者を告げるチャイムがずーっと鳴り響いていた。

 

さて、肝心の「味噌カツ煮定食」だが、なぜ「煮」なのか、そこは「煮」にしなければならない様な業務上の秘密が隠されているのだろう、などと余計なことを考えながらも、添えられた目玉焼きの黄身でその顔黒にお化粧を施しつつ見事完食を遂行した。

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ふと入口に目をやると、「ウォーキングデッド」のゾンビさながらに人の群れがひしめき合っている光景が繰り広げられている。実食時間、約5分で席を立つと後進に席を譲ることにした。こんなところでも気を遣い過ぎる性格は相変わらずだ。

 

しかし、偶然にも最終日に間に合って本当に良かった。う、嘘じゃないもん。本当に偶然だもん。

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