氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

約30年前の思い出の味@「松栄屋(まつえや)」の『うなぎ釜飯』

「たりらりら~ん♫ 今日、わたしSちゃんちに遊びに行ってくる。いい?」

行ってくると言っておきながら何故に了解を求める?

 

「いや、別にいいんじゃない?何時に?」

「1時」

「ってことは、今日は家メシだな」

「げっ!なんで?食べに行って1時までに帰ってくるって案はないの?」

「ない」

 

というわけで、久しぶりに長女と2人っきりのデートとなった。

「あんまりイイところに行ったらいかんよ。やっすいラーメンか牛丼なら許す」

と長女に言い含めていた次女だったが、如何せん決めるのはパパだもんねー、だ。

 

とはいえフレンチのフルコースへ行こうなどとは微塵も思わず、無難な線で約33~4年前に足繁く通った店を久しぶりに訪れてみた。

 

その頃、まだ半分は音楽を生業にしていた頃のことだ。岐阜でそっち系の仕事があった時に、大学時代の先輩サクソフォン奏者をわざわざ名古屋から呼び寄せていた。夜、演奏の仕事が終わり、その後は我が家で一泊し翌日の朝に名古屋へ電車で帰っていくのだが、演奏の前に必ずこの店で食事をすることが習慣となっていた。この店を訪れたきっかけは、たまたま前を通りがかっただけかと思うが、彼がこの店をいたく気に入り通うこととなる。

 

その後、彼は海の向こうボストンに渡り、今では生きているのか死んでいるかさえわからないが、もし死ぬ間際になっても連絡を寄越さないで欲しい。当時、アメリカから大した用事でもないのに国際電話がかかってきた。コレクトコール(料金着信者負担)で後に来た請求金額は30,000円オーバー。香典にしても高すぎるわ。

 

てなわけで、店の名前は「松栄屋」という。

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「まつざかや」ではない。「まつえや」と読ませる。うどんと釜飯が売り物だということを昨日、初めて知った。

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それほどまでに30年前の記憶はよく言えばセピア色。悪くいえば認知症に侵されている。

 

てことならば自分は「うなぎの釜飯」を注文。長女は謙虚にランチの「やきそば定食600円」だ。この価格ならば少なくとも彼女は次女に対して面目が保てるだろう。因みに「うなぎの釜飯」は1,000円。「うなぎ」でなければふ~ん、といったところだろうが、物が「うなぎ」なだけにメニューを二度見してしまった。

 

実際、使われている「うなぎ」の量は価格相応だったかと思うが、問題は炊き加減だ。程よくアルデンテでお焦げもしっかりと付いている。

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「やきそば」も価格の割にはボリューミーだし、何よりも鉄板の上でジュージューと音を立てているクラシックスタイルが実にいいじゃないか。

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パソコンのモニターを横にして見てね

 訊けば、記憶ないが約40年ばかりこの地で店をやっていると言う。30年ほど前によく通っていた話をすると、じゃ、僕がまだ赤ちゃんの頃ですね、とふざけた事をぬかしやがるもんだから顔は笑顔だったが仮想世界で右手拳が顔面にクリーンヒットした。

 

その後はミニストップ、略してミニップに寄り「ハロハロパチパチ完熟ゴールデンパイン」と「ハロハロ果実氷白桃」でもってデートの〆にした。

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ほぼ会話のない無言のデートだった。

 

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