氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

梅を愛し梅とともに生き梅とともに死す

自分の部屋をあてがわれ大喜びだった娘達だが、結局は自室で過ごすよりも圧倒的に居間にいる時間が長い。そらゃ、そうだ。居間にはエアコンがあるが、娘達の部屋には扇風機しかない。せっかく絨毯まで敷いてモダンな部屋に生まれ変わった仏間だったが、ただの物置になってしまっている。

 

そもそも仏間を勉強部屋にした時点でモダンもクソも無いよね。想像して欲しい。お洒落な絨毯に先日、買ってあげた学習机。結局、LEDのスタンドも買わされた。ある一角だけ見ると、明らかに女子中学生のキャピキャピした空間だ。なのに学習机から後ろを振り返ると、そこには観音開きの仏壇があり、祖父祖母の遺影が飾られている。

 

一見、ご先祖様に守られているかの様にも映るが、自分がその部屋の主人だったら、そんな部屋に友達は呼べないだろう。あ、そうだ!墓参りに行かなくちゃ。普段から仏壇や神棚に手を合わせる習慣がないものだから、こんな時でもないと墓参りなど思い浮かびもしない。はい、至って背信、背教な人でなしなんです、この私。

 

そう、そしてお盆のこの時期だ。当然、主役は勉強部屋よりも仏間の色が濃厚に出る。にも関わらず傍若無人に散らかす娘達にとうとう娘の母親がキレた。いや、キレまくった。人の苔玉はくちゃくちゃにしても平気なクセに、自分の思い通りにならないことが少しでもあるとたちまち豹変する自分勝手な性格だ。が、ことこの事に関してはキレぬまでも自分からひとこと口出ししようと思っていた。先を越されたことにより、自らヒールを買って出る必要はなくなったのだが、やはりベイビーフェイスにしてもヒールにしても持って生まれた性格が反映されるであろうから、似合う似合わないはきっとあると思う。正直、自分には似合わない。

 

で、渋々部屋の掃除を始めたのだが、要らないが捨てるには忍びないものを次から次へと自分のところへと持ってくる。自分にしても要らないものは要らないと突っぱねる中で、その昔、長女の誕生日に買ってあげたトイプードルの「ダッキー」と、変なペン立てを貰い受けた、というより「ダッキー」は返してもらった。

f:id:Croquis009:20200812153224j:plain

f:id:Croquis009:20200812153238j:plain



せっかく長女に買ってあげたのに、「夜中に突然しゃべりだしたり吠え出したりしてうるさい」といった一部、社会性に問題を抱える女子からクレームが寄せられ、乾電池が抜かれ無理やりお蔵入りさせられたものだ。

 

綺麗になった部屋を拝見し、

「おぉ~、やれば出来るじゃん。というかこれ(笑)」

それこそ百均にでも行けばお洒落な収納箱くらい、幾つだって置いてあるだろう。それなのに「カリカリ梅」だ。

f:id:Croquis009:20200812153311j:plain


大した執着心、というか、むしろ「梅愛」とでも呼ぶべきだろうか。

 

「お前は身の回りに『梅』がないとあかんのか?」

「えっ?まぁ、梅は好きだけど、なんで?これ、めっちゃオシャレじゃない?」

 

そうか。オシャレなのか。それには気が付かなかった。取り敢えず、盆の入り前に仏間が綺麗になってよかったよかった。

にほんブログ村 オヤジ日記ブログ いきいきオヤジへ
にほんブログ村