カットストーリーは突然に
案の定、秋に開催予定だった「ぎふ信長まつり」も中止が決定となった。今年は大河ドラマ「麒麟がくる」と連動させ、県の内外に留まらず、国外からも観光客を例年の数倍、多く呼び寄せる腹積もりだっただけに、観光業界のみならず飲食店繁華街にとっても痛手は大きい。梅雨もまだまだ明ける気配が見えず、昨日も早朝より雨に見舞われた。
起きがけに鏡を見る。
「よし、床屋へ行こう」
いつもタイミングは衝動的だ。
若い頃は黒髪のストレートヘアが自慢で、大学生の頃はロングヘアなどにも挑戦してみたことがある。因みにその頃は床屋ではなく美容院に通っていた。美容師曰く、
「パーマをかけたくなる髪」
ということで、何度か勧められたが予算の関係上、お断りしていた。だって、ビンボー学生だったんだもん。
因みにパーマの初体験は高校一年生の冬休みだった。勿論、校則違反だ。休み明けに校門をくぐった途端、新任の体育教官に見つかり髪をむんずと掴まれ手洗い場へと連れて行かれた。そこで頭を洗えと言う。
「や、先生。髪の毛を水につけたりなんてしたら余計にクルクルになりますよ」
と無駄とは思いつつも抵抗すると、
「そうか」
と言いあっけなく見逃してくれた。余計にクルクルになるのは事実だが、ちょっとお馬鹿な先生でその時は真面目に助かった。ふ〇や先生は今でも元気だろうか?
ところが年月を隔て、その黒髪ストレートも白髪くせ毛へと変貌を遂げる。梅雨時のくせ毛は質が悪いとくせ毛の持ち主は異口同音にそうもらす。鏡を見たときに映ったボンバーヘッドが床屋行きを強行させた。
多少の計画があって床屋へ行くのならば、待ち時間が長かろうが行きつけの床屋を選ぶところだが、今回は衝動に駆られてのことだったので、吉野家ではないが早く安くをモットーとした床屋に浮気してしまった。
美味く(上手く)に関しては目を瞑ることにする。吉野家に高級料亭の味を求める様な無粋なことはしたくない。
ただね、最近の床屋っていきなりバリカンでカットに入る店が多くてね、それがいささか先生、不満なんだよな。バリカンってイメージとしては丸刈りが角刈り、スポーツ刈りの印象で、昭和世代の自分からすればやっぱり鋏でチョキチョキするところから入って欲しいんだよね。ま、この際、わがままは言ってられない。
というわけで待ち時間なし、所要時間は約10分。料金は税込1,100の低料金でリフレッシュしてきたつもりだったが、案の定、家族を始めスタッフ誰ひとりとして自分が髪を切ってきたことに気がついてくれる者はいなかった。
まぁいい。早く梅雨明けないかな~