氷の上のさかな

氷の上にディスプレイされたさかなの様にセカンドライフをキラキラとさせる為に今を頑張ろうといったシュールなお話。

「北海道チーズ蒸しケーキ」には「北海道チェダーチーズ」を使っているから「北海道チーズ蒸しケーキ」だったという事実×3回(早口で)

ラジオをボケーっと口を開けて聴いていたら、メインパーソナリティーを相手にアシスタントがヤマザキの「北海道チーズ蒸しケーキ」を熱く語るのが流れて来た。それもわざわざワンコーナーを割いてのことだ。後々、コーナーの提供がヤマザキだったことを知り、なんだ、ヤラセかよとがっかりしたのだが、それでも非常に興味深い内容だったので、ボケーっとしつつも真摯に耳を傾けてみた。

 

内容は至って単純。「北海道チーズ蒸しケーキ」は凍らせたらいっそう美味くなるという話だった。よくそれだけの事で時間的にワンコーナーも支えることが出来るもんだ、と感心しつつも、何やら面白そうなネタだったのでいつか試してみたいと思っていた。

 

が、しかし、年月は流れ(実際は数日だが)その様なことはすっかりと忘れてしまっていた。折しもたまたま立ち寄ったドラッグストアのパン売り場を通りかかったときに、自分に視線を投げ掛ける物の存在に気が付く。北海道だ。途端に過去の思い出がフラッシュバックする。そうか、今日がその時なんだ。気が付くと右手に「北海道チーズ蒸しケーキ」を持ちレジに並んでいる自分がいた。

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冷凍前

 

日本人は北海道に憧憬を抱く。特に食に関してはそうだろう。北海道と聞けば先ず頭に浮かぶのは、なんといっても豊富な海産資源だ。ウニ、イクラ、毛蟹に牡蠣に甘エビ、ホタテなど脳裏をかすめる魚介類が数多く存在する。酪農にしても然り。大自然の中、優雅に育まれた牛から搾り取られた牛乳を使い、そして作られたチーズやその他、乳製品なども、北海道と頭に冠すだけで如何にも美味しく感じられる。

 

これが例えば「岐阜チーズ蒸しケーキ」や、「愛知チーズ蒸しケーキ」、若しくは「三重チーズ蒸しケーキ」などと名付けられたならばそうはいかない。イメージ的にチーズケーキが鮎臭かったり赤味噌っぽかったり、赤福餅だったりする。ただ、個人的に赤福餅味は歓迎したい。要はヤマザキが勝手に北海道の名前を使い上手いことやっているということだ。大企業の強かさが商品名にも見え隠れする。

 

さっそく店の業務用冷凍庫で保管した。自宅の冷凍庫だと誰かに見られた時に、これは何だとか何に使うのかとか、どこから入手したのか等々、余計な詮索をされるのが嫌だからだ。オマケに業務用の方が当然、ハイパワー。凍らせるのにさほど時間を要しないだろう。

 

時は来た。

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冷凍後


冷凍庫で一昼夜寝かせた「北海道チーズ蒸しケーキ」は果たしてどの様に変貌を遂げていることだろう。そして、この自分をどう喜ばせてくれることだろう。「北海道チーズ蒸しケーキ」(改)に寄せる余りもの期待にドキがムネムネするのであった。

 

大胆にも北海道マークをミル・マスカラスばりのフライングクロスチョップで4分割してやった。

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凍らせた割には意外と手応えがない。その一つをやにわに掴むとお口の中にディープスロートイン!

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「ただ冷たいだけの『北海道チーズ蒸しケーキ』やんけ」

 

冷凍庫から出した時の硬直感でなんとなく想像がついたのだが、まるでその硬直感に欠けていたのだ。凍るには当然、水分が必要となるのだが、その元となる水分含有率が極めて低いのではないかと考えられる。食感に大きく期待を寄せていただけに全くの歯ごたえの無さには激しくガッカリしてしまった。しかし、何事も多くの失敗と犠牲の上に成り立っているということを考えると、今回の事が多くの日本の方々に広く知らしめられたかと思えば、自分んがやったことはけして無駄ではなかったと満足し、尚且つそう願いたい。

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